【大学生の剣道事情とは!?】

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大学剣道

昨今、大学生剣士の活躍が顕著となってきています。

2014年の全日本選手権において、竹ノ内佑也選手が学生ながら優勝を飾ったのを皮切りに、全日本選手権で上位進出する選手や、日本代表に選ばれる選手など、剣道界をリードする若い才能が多数生まれてきています。

そんな大学剣道について、強豪チームから就職事情までご紹介いたします。

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|高校と大学の違いとは?

まず触れておきたいのは、「高校と大学の剣道はどう違うのか」です。
大学剣道の試合をご覧になる方は多いと思いますが、その内情がどうなっているかまではご存じないのではないでしょうか。
そのためまずは大学剣道の環境がどのようなものなのかを理解していきましょう。

自主性重視の大学剣道

一番の違いが、ほとんどの大学の体育会剣道部において、高校生と比べ指導陣の干渉が少ないという事です。
また、強豪校から進学してきた場合は大学生になって練習時間や練習内容も高校の頃と比べ余裕を感じることも多いと思います。

そのため、大学では高校までとは違い、限られた時間の中で自分が何をするべきなのかという事を自主的に考え取り組んでいかなければばりません。

二刀流の有無

次に挙げる違いとしては、二刀流の有無です。
高校まででは禁止されていた二刀流も、大学ではルール上可能となります。
そのため、大学剣道の試合では二刀流の選手が試合をする姿を稀に目にします。

しかし二刀流は実際に心得のある方も少なく、指導者不足という問題を抱えています。
また高校まで培ってきた中段や上段とは全く異なるため、人数としてはあまり多くないのが現状です。

一方で、相手にとって慣れない二刀流と戦うのは、大変やり辛いものです。
高校まで実績がなかった選手でも、二刀流をとることで強豪選手と渡り合うようになったケースもあります。

思い切って取り組んで見るのも、良いでしょう。

参考記事:【剣道における二刀流とは?】

世界選手権では、二刀流同士の対戦もみられた。
画像出典:日本経済新聞「剣道からKENDOへ 世界大会で見せた日本の心 」

部員の多様性

一部の強豪高校では、団体メンバー5人全員が他の高校に行けば大将を任されるような強力な選手である場合も見受けられます。
実際に大学で優勝をするようなチームの多くは、そうした強豪校からの選手を揃えていることは否定できません。
しかし、大学剣道界ではそうしたスター選手ぞろいのチームが必ずしも優勝できるわけではないのも、面白いところです。

高校まではチームの補欠で燻っていた選手や、特に高校まで有名ではなかった選手も大学剣道界では活躍する機会があります。
それは大学ごとに推薦入部の枠が限られており、大学の剣道部には必ずしも有名選手ばかりがそろうわけではないからです。
だからこそ先ほども書いたように、自分の課題をどう解決するかを考え行動した選手が活躍するのです。

また高校まで全くの弱小校に所属しいた選手や、初心者、他競技からの転向者なども、進学先の大学次第では強豪選手と剣を交え学び取る機会があります。

慶應義塾體育會剣道部
ラグビーやバレー等、他競技からの転向者もいる慶應義塾大学剣道部。

サークル活動について

大学で剣道をする場合、体育会系の他にもサークルという選択肢があるのも特徴です。

サークルというのは、学生内で同じ目的を持った人同士が集まる集団の事です。
大学公認として活動しているものや非公認で当人たちが勝手にやっているもの、他大学からもメンバーを募り大規模な集団を形成しているもの(=インカレサークル)等があります。

ほとんどのサークルは、体育会ほど練習を強制するわけでもないので、厳しい環境でなくとも、剣道を続けていきたいと考える人ならば、剣道サークルに所属することも一つの選択肢です。

一方で、サークルに所属する場合、いくつか注意しなくてはならないことがあります。

まず、ほとんどの剣道サークルが、学内に専用の練習場所を持っていないことです。
そのため稽古をする場合は、公共施設等を借りて行うことになるのですが、借りられる時間や曜日も限られてくる場合も多く、練習が不定期になる場合もあります。

その場合、剣道具を置いておくことができず、稽古の度に剣道具を運搬しなければならないことも負担として挙げられます。

もうひとつの注意点は、サークルによっては、そもそもあまり剣道をしていない場合もあるという事です。
剣道を名目に集まるものの、活動のほとんどがお酒を飲んだり、レクリエーションを行ったりするようなケースもあるようです。

このようにサークル選びに関しても、入る前の段階でしっかり見極める必要があるでしょう。

剣道サークル
サークルによっては、活動実態が無いものもある。

|大学剣道界の強豪校

大学剣道では、毎年のように優勝校が入れ替わっており、圧倒的No.1と言える大学はありません。

一方で、一般的に関東圏の大学に学生が集まりやすいことから、剣道部においても関東圏に強豪校が多いのも特徴です。

そういった大学チームの中でも、強豪と言われる大学の一部をご紹介します。

筑波大学

まずご紹介するのは、言わずと知れた剣道の名門校・筑波大学です。
各年代に強豪選手を揃え、学生大会では常に優勝候補に挙げられる存在です。

「体育専門学群 武道学」という専門学部を持ち、プレーヤーとしてだけでなく、指導者としてのカリキュラムが備わっているのも特徴です。

2014年の全日本選手権において、学生として43年ぶりに優勝を果たした竹ノ内佑也選手も、この筑波大学出身です。
2019年の全日本学生選手権大会では、ベスト4のうち3名を筑波大学の選手が占めるなど、部員数が少ないながらも選手層が厚いのも特徴です。

警察や教員に多数の人材を輩出し、八段所有者をはじめ全日本剣道連盟組織にも多くの出身者がいます。

参考記事:【意識の高さが強さに繋がる】筑波大学剣道部男子監督 鍋山 隆弘(1)

筑波大学,剣道™
学生大会優勝の常連である筑波大学。
画像出典:LET´S KENDO

国士舘大学

国士舘大学は、私立大学でありながら古くから剣道強豪大学として名を馳せてきた名門大学です。

部員数の多さから、学内に複数の剣道場を所有し、主流となる剣道部本体だけでも100名を超える大規模チームです。

平日は、毎日朝と夕方に稽古を行っており、豊富な稽古量でも有名です。
また、あまり対外練習試合を行わないことでも知られ、部内で徹底して鍛え上げることも特徴です。

警察にも数多くの人材を輩出し、卒業生の中に八段や範士の称号を有している方が多くいるのも強みです。

尚、傘下に付属中学校と高校を有しており、こちらも東京都を代表する強豪チームとして有名です。

明治大学

明治大学は、東京六大学としても知られる私立大学です。

高校剣道において超強豪校として有名な九州学院高校出身者を中心に、学生数の多さを武器に全国から多くの選手が集まってきています。
専門学部が無いながらも、常に上位に進出している強豪チームです。

全日本選手権で3度優勝し、世界選手権でも優勝経験のある内村良一選手(=現警視庁)も、明治大学出身(九州学院高卒)です。

傘下に付属中学・高校を複数有しており、特に明大中野高校は東京都で優勝するほどの強豪校としても知られます。

参考記事:【勝利へのプロセス】九州学院・明治大学 梶谷彪雅

中央大学

中央大学は、明治大学と同様に東京の名門私立大学として有名です。

2014年の全日本学生選手権で1年生にして優勝を果たし、2015年の全日本選手権でベスト4に入った梅ヶ谷翔選手も、中央大学の卒業生です。
2018年には、24年ぶりに大学日本一に輝き、私立の中でも最も力のあるチームの一つです。

専門の学部はなく、卒業後は警察から実業団まで、幅広く人材を輩出しています。

2018年に、全日本学生剣道優勝大会で優勝を果たした。
画像出典:中大スポーツ新聞部

日本体育大学

日本体育大学は、体育大学として全国で最も有名な大学の一つです。
剣道のみならず、各スポーツの有名選手が所属していることでも知られます。

学内に専門学部を有し、単なる競技剣道のみならず「刀法」を学ぶカリキュラムがあることも特徴です。

全日本学生女子優勝大会では2回の優勝を誇り、男子では2013年に村瀬諒選手が全日本学生選手権で優勝を果たしています。
村瀬選手は学生でありながら、その後の2015年世界選手権日本代表のメンバーに選出されました。

卒業後も警察や教員で活躍する選手が多く、名選手を多く輩出している伝統あるチームです。

参考記事:
【剣道家が実践すべき2つのポイント】’15WKC日本代表・日体桜華中高監督 村瀬諒(1)

【勝ちたいのその先へ】日本体育大学荏原高校監督 貝塚泰紀

【ろう者剣士の遥かな夢】日本体育大学 宮坂七海

抜刀,剣道,日本体育大学
競技剣道だけではなく、抜刀術を学ぶカリキュラムもある日本体育大学。
(写真は2017年体育実演研究発表会で抜刀術を披露する貝塚泰紀氏。)
画像出典:獅心館道場 公式HP

鹿屋体育大学

鹿屋体育大学は鹿児島県鹿屋市に位置し、西日本を代表する強豪校です。
国立の体育大学であり、学内に専門学部を有し、部員は100名を超える大規模なチームです。

毎年、九州エリアでは圧倒的な強さで勝ち上がっており、全国の舞台でも優勝を何度も飾っている強豪です。

2010年には、全日本学生選手権で男女アベック優勝を果たすなど、名選手も多数輩出しています。

鹿屋体育大学
鹿児島県に位置しながら、部員100名を超える鹿屋体育大学。
画像出典:鹿屋体育大学公式HP

その他参考記事:
【”桐蔭イズム”のチーム作り】桐蔭横浜大学監督 髙瀬武志

【社会に必要とされる人材を育てる】 関東学院大学剣道部総監督 大塚博昭

【次世代のチームビルディング】福岡大学剣道部

体育会剣道部は就活に強い?

最後にご紹介するのは、剣道部学生の就職事情についてです。

体育会剣道部出身の学生は、卒業後の進路も様々です。
警察官や教員はもちろんのこと、大手企業に就職し実業団チームで剣道を続ける方も数多くいらっしゃいます。

そんな剣道部学生の就職事情について、ご紹介いたします。

公務員(教員・警察官)

剣道部学生の進路として一般的に多いのが、教員や警察官といった公務員です。

筑波大学や日本体育大学等、学内に指導者となるためのカリキュラムを有する大学も多く、自然な流れで教員になる学生も数多く見られます。
卒業後に各学校の指導者となるため、出身校のOB・OG同士で練習試合や合同稽古などの交流がしやすいというメリットもあるようです。

一方警察官は、通常の警察官として採用されるケースと「術科特別訓練」(=通称・特練)および「武道小隊・武道専科」(警視庁のみ)に所属となるケースに、大まかに分かれます。

現在日本代表等で活躍している警察官選手のほとんどは、この「剣道特練員」であり、日常業務の傍ら日々厳しい稽古に打ち込んでいます。

実業団(一般企業)

一般企業に就職する学生も、当然数多くいます。

中には社内に剣道部を有する会社もあり、関東実業団大会や全日本実業団大会は300を超えるチームが出場するまでになっています。
就職に際しても、大学のOBやOGの関係性で企業の紹介を受けたり、場合によってはそのまま採用につながるケースもあるようです。

一概に「有利不利」ということは言えませんが、会社によっては剣道部員を積極的に採用している会社もあり、社会人としてビジネスに携わりたい学生にとっては喜ばしい限りではないでしょうか。

上記のような「剣道部採用」でなくとも、剣道部での活動が就職試験で良い自己PRになったり、OB・OG訪問で会社の内情を知ることができるので、全体的に有利に働くこともあるでしょう。

このように、剣道部学生の就職の選択肢は、多岐に渡ります。

参考記事:
【剣道の価値と評価を高める】剣道プロジェクト 石塚一輝

【無心で突き抜ける】株式会社シオザワ 代表取締役社長 塩澤好久

パナソニック,剣道
実業団の強豪チームとして知られる、パナソニック剣道部。
画像出典:パナソニック 公式HP

大学で剣道に打ち込もう!

いかがでしたでしょうか?
大学生は、「人生の夏休み」と言われるほど自由な時間が多い期間です。

しかしその中で、剣道を通じて心と体を鍛えることは、必ずやその後の人生の糧となることでしょう。

自分に合うペースで剣道に打ち込み、大学生活を有意義なものにしてはいかがでしょうか。

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