【剣道オンラインサロン開設の想い】「剣道イノベーション研究所」教士八段 岡田守正

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「剣道オンラインサロン開設の想い」

〜「剣道イノベーション研究所」教士八段 岡田守正〜

「道場の概念を超えて、革新的に剣道を探求する」をコンセプトに、業界初の本格的剣道オンラインサロン「剣道イノベーション研究所」を開設した岡田守正氏。
名門日本体育大学にて、女子を初の全国優勝に導いた名将としても知られる。
祖父(岡田守弘 剣道・居合道範士)から3代にわたって受け継いできた指導理念と、30年以上の剣道指導経験をもとに、サロン開設に至った想いをお伺いしました。

(以下 KENDO PARK=KP   岡田守正氏=岡田)

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「剣道イノベーション研究所」詳細はこちらから

-岡田守正(おかだもりまさ)-

1967年 東京都出身
幼少期より祖父・守弘、父・又彦より剣道(居合道・古流剣術含む)指南を受け、日本体育大学へ進学。
大学卒業後、弱冠22歳にして第3代尚道館(@東京都)館長に就任。
並行して、日本体育大学武道学研究室助手として務め、慶應義塾大学医学部剣道部、早稲田大学高等学院剣道部等の指導にもあたる。
その後、日本体育大学非常勤講師及びスポーツ専門職、剣道部監督等を歴任。
2007年全日本女子学生剣道優勝大会、2009年全日本女子学生剣道選手権大会(西野絢氏)2015年関東学生剣道優勝大会 等において優勝に導く。
教え子に渡邊タイ氏(現・熊本県警、世界選手権優勝2回)、村瀬諒氏(現・日本体育大学桜華中学・高等学校監督、元世界選手権日本代表)、舞原倫秀氏(現・大阪府警)、貝塚泰紀氏(現・日体荏原高監督)ほか、名選手および全国で活躍する指導者を数多く指導。
尚道館では、多くの企業家、医師、教員、著名人など様々な分野の方々を指導し、直近3年間で12名の七段昇段者を輩出。
他方、フランス人門弟を中心に、尚道館の欧州支部としてフランス尚道会、尚道館ヴォンデなどを開設し、海外普及指導にもあたる。
2018年一般社団法人伝統文化保存継承学舎・尚道学院を発足し、代表理事に就任。
2020年に、業界初の本格的剣道オンラインサロン「剣道イノベーション研究所」を設立。同サロン代表および主宰。
尚道館館長・桜美林大学非常勤講師・杉並区剣道連盟副会長兼理事長
剣道教士八段(2020年1月現在)


|近代剣道の歴史を伝える

KP:
岡田先生の剣道のルーツを教えてください。


岡田:
祖父であり師匠の岡田守弘から受けた教えが、全てのベースになっています。

尚道館の初代館長である祖父より、私が小さい頃(2歳頃)から剣道や剣道形、居合などを手解き受けました。
それは、よく武道家の家に生まれた者のイメージにある「家庭内強要」ではなく、とにかく優しく教えてくれました。

上手にできれば褒めてくれるので、それが嬉しくて私も自分から積極的に取り組んでいたように思います。
祖父としては、多くがそうであるように単純に孫が剣道を学んでくれるのが嬉しかったのではないでしょうか。

居合は毎晩のように祖父は門弟が帰った後道場でひとり稽古を行うのが常でしたが、そこで一緒に最初はおもちゃの刀を抜く事から始まり、その後模擬刀、本身まで抜くようになりました。

最高峰の範士とマンツーマンですが、当然その事の珍しさは知る由もありません。
その甲斐あって4歳頃には夢想神伝流(むそうしんでんりゅう)の居合を初伝~奥伝まで修めるようになっていました。
祖父と一緒に杉並区剣道連盟主催剣道大会の開会式にて公開演武した事は、大きな思い出になっています。

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幼少期から剣道や居合に触れる環境であった。
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KP:
ご祖父様の教えについて教えてください。


岡田:
祖父は常に門弟に対し、昭和10年制定の「警視庁剣道基本」に基づいた、「理に適った基本動作の反復を徹底し、姿勢態度の立派な剣道を求めました。

そもそも祖父は新潟県の農家の跡取りとして生まれ、27歳まで農業を懸命にやっておりました。
ただその間どうしても剣道をやりたくて、やるなら警視庁だと農業を辞めて上京し剣道を本格的に始めたという稀有な剣道家でした。
当時は今のように統一された「剣道の基本」というものもなかったため、各流派や道場によって様々な価値観による剣道が行われていた時代であったと思います。

上京後祖父が通った道場は鞍馬流(くらまりゅう)剣術の習成館で、師事した先生は、旧幕臣で勝海舟とも親交のあった宗家・柴田衛守先生(警視庁主任師範)でした。

当時の稽古は一言で言って「錬る」稽古で、現代剣道の様相とはかなり内容を異にする稽古が主体であったようです。
十数年掛けて祖父は、その後の得意技となる鞍馬流秘伝の「捲き落とし」を身に付けたと語っています。

そして警視庁教師の立場になった数年後に、当時の主任師範である斎村五郎先生(※)に稽古を願う機会がありました。
祖父曰く、時間にして僅か7分間余りの稽古だったそうですが、得意の捲き技を含めどんな技も全く通用しない中、先生から基本に基づいた「これが剣道だ」というべき模範技を稽古の中で示して頂き、全ての剣道観が変わったのだそうです。

そして稽古後、先生より構えにおける撞木足及び近間稽古の矯正を促がされ、正しい基本動作(素振り、切り返し)によって「基本を作り直す」ことを決意したとのことです。
その時すでに祖父は50歳を超えておりましたが、そこから更に激しい基本動作の反復を自らに課し、悪癖の矯正に努めました。

私は祖父のこの姿勢を本当に尊敬しています。ここで動作を習得すると共に当時としては稀有である理論的な指導を身に付けていきました。

そこで実施した基が、祖父自身もその制定に携わったひとりである「警視庁剣道基本」です。
中山博道、斎村五郎、持田盛二、大島治喜太、堀口清、伊藤雅二の当時師範を務められた大家の名を見ても、これが近代剣道の基礎中の基礎にもなっていることは、言うまでもありません。
そしてこの指導法こそが、私のこれまでも、そしてこれからも揺らぐ事の無い剣道のベースとなっています。

※斎村五郎(さいむらごろう)
歴史上5名しかいない「剣道十段」受有者にして、警視庁、国士館専門学校、早稲田大学他多くの機関の指導に当たる
武術教員養成専門所(武専)第一期生として近代剣道の普及発展に大きく尽力し、影響を与えた、最も有名な剣道家の一人。

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祖父から受け継いだ指導を現代に伝える。
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|弱冠22歳での道場継承

KP:
弱冠22歳で、現在の尚道館の館長に就任なさいました。


岡田:
祖父が亡くなった後、父が道場を引き継いだのですが、その後すぐに私に引き継ぐこととなりました。

通常であれば、年齢的にも父がもっと長く館長として切り盛りをするのが流れであったと思うのですが、父は違った感性をもっておりました。
私に「専門家になるのならば、若いうちから道場を継いだ方がいい」と提案し、「自分は隠居の身で道場の活動に関わる」との方針を示し、57歳で本当に隠居してしまいました。

これには意味があり、それは「剣道は一から手解きした弟子が一人前になるには最短でも30年近く掛かる芸事である。したがって自分が自分の代に固執してしまうと道場の本当の弟子が育ちにくい。」と考えたからだとのことでした。
それから約30年が経過した今、その事の意味が大変よく解ります。

さらに東京都杉並に道場を構えていたため、相続その他における不動産としての維持の問題も含め大変苦労致しました。
祖父が元々は借地として借りた土地でしたので、再契約時にこれを自らの所有に切り換える作業を行う中、昭和50年に改築した建物を解体し、一度更地にして一部を地主に返還しました。
その更地に、プレハブの仮設住宅を建てて一家で2年間程、お弟子さん達と次の道場でも使うべく解体した前道場の床板約60枚と共に暮らしていた時期もあり、本当に大変でした。

とはいえ、昨今どの業界でも後継問題が課題となっていることを考えると、当時としては様々な観点で父の下した方法論はかなり先進的な英断であったと思います。

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3世代、80年もの歴史を誇る尚道館。
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KP:
海外指導も手掛けていらっしゃるそうですね。


岡田:
まだ日本で外国人を見ること自体が珍しかった昭和40年代に、本格的な剣道留学門弟として、フランス人剣士を受け入れていました。

というのも、祖父が東京大学剣道部の師範を務めていたことから、祖父の教え子でもあり、現地にて指導者になられた好村兼一先生(教士八段)の紹介で、フランス人剣士が多数入門していました。

彼らはいずれも、将来母国で剣道指導者を志望する剣士達であり、皆道場近くに居を構えて何年間も通っておりました。
後に、世界剣道選手権においてもフランス代表の中心選手として活躍した選手ばかりです。

異国から来た彼らが、日々汗だくになりながら稽古に真剣に取り組み、言葉が通じない中で頑張っている姿を、子供ながらに不思議に思って観ていました。
一方で、そのような環境にいられたことは、大変幸運であったなと今は思います。

この間修行したフランス人剣士達及びその生徒達の多くは、後に高段者となり、フランス各地で後進の指導にあたっています。
このようなことから、昭和の終わりに初めて父がフランスに出向いて講習会を開き、現地での剣道指導を行いました。

それから現在まで、現地での講習を続けており、尚道館の欧州支部として「フランス尚道会」、また弟子が支部道場「尚道館ヴォンデ」を設立いたしました。
彼らには、私共が代々引き継いできた指導理念が、しっかりと根付いていると思います。

またそれとは別に、近年はオーストラリアでも毎年講習会の指導に赴いています。
大学の恩師である志沢邦夫先生が、約40年前からオーストラリア現地で剣道指導にあたっていらしたことから、現在でも多くのオーストラリアの剣士は先生を頼って来日しています。
その志沢先生より数年前から現地指導を託され、はなはだ力不足ではありますがメルボルン武道会の要請にて指導に携わらせて頂いています。

フランス剣士達とは雰囲気の違いはあるものの、道を求める真面目な剣士達の意欲は共通するものが多くあります。
こちらも真剣に伝えなければとの想いで、指導に当たっています。

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祖父の時代から海外指導にも携わる。
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|オンランサロン設立

KP:
剣道指導に携っていらっしゃる中で、感じる課題を教えてください。


岡田:
道場を継続していく上での課題や、上手く伝える為の課題は数多くここではとても語り切れません。

一方で、有り難い事に剣道一筋の生活の中、これまで約30年間、道場を中心に高校や大学、海外でも指導を行なってきました。
指導を通して、幅広い年齢層、性別、地域や国籍を問わず様々な方に数多く出会ってきました。

彼らの中には剣道に対して本当に熱心な方も多く、「もっと早く出会って、剣道の本質を共有し伝えたかった」と感じることも数多くありました。
やはり何事においても、人との関わりが財産だと感じております。

道場はあくまで特有の門弟を育成し、またその門弟によって育てられる場所です。
一方学校指導では、活動濃度は濃く出来るものの、基本的にある一定の時間の中で大多数との時間を共有します。

そのようなことを鑑み、私が培ってきた剣道をもう少し広く伝えてみることへの努力も必要なのではないかと感じるとともに、当館及び大学で学んだものを現代に更に問いかけながら、後世にしっかりと伝えてみたいと考えるようになりました。

そこで本研究所(オンラインサロン)のような取り組みの中でならば、これまで私が関わった仲間や教え子達を始めとする多くの方々と、剣道を通した縁を持てると考えました。
また皆さんと共に、継続的に剣道を探求していく場を作り上げることが出来るのではないかと考えました。

※オンラインサロン
月額会費制によりオンライン上で展開される、会員制コミュニティの総称。
2016年頃から本格的に登場しはじめ、著名人や業界に特化したものが多数存在する。
堀江貴文氏(実業家)や西野亮廣氏(キングコング)等のサロンが有名。

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「オンライン上に道場を開く」という先進的な試み。
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|道場の概念を超えて、革新的に剣道を探求する

KP:
剣道業界では大変先進的な取組となります。


岡田:
簡単にイメージを申し上げると、「新たにオンライン上で道場を開設する」と思っていただければ良いのではと思います。

従来の剣道専門誌や動画媒体等では、「一方向で指導を受ける」形でありましたが、あくまでサロン生との双方向のコミュニケーションの場を設ける事に意味を感じ、オンラインサロン という形を選びました。
もちろん私から色々な情報提供を行いますが、それをもとに現代剣道のエッセンスを加えて剣道観を昇華させていくのが目的です。

例を挙げると、教え子の渡邊タイ選手(現・熊本県警 世界選手権団体優勝2回)には、数年前から動画を用いてその時々の考えや狙い、思いを聞きながら、文書と言葉で助言を行ってきました。
双方向で意見交換を行う中で、これはこれまで出来なかった助言方法だと強く感じました。

動画を手軽に録画でき、それをメールで言葉にして伝えることが出来る現代だからこそ可能な事で、これからはもっと効果的に活用していくべきだろうと考えるようになりました。

このような経験をもとに、共通の価値観を基に双方向で技術を理想の方向へ導く手順を模索した結果、剣道オンラインサロンという形態で「剣道イノベーション研究所」開設に至りました。

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日本体育大学を女子初の日本一に導いた、名将としても知られる。
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KP:
具対的な内容を教えてください。


岡田:
「道場の概念を越えて、革新的に剣道を探求する」 というコンセプとを掲げ、会員の方々には以下のような特典をご用意しております。

1. 動画及びコラム配信(各週1度)
2.サロン内交流・ディスカッション
3.ライブ配信(不定期)
4.定期研修会へ(=実践稽古会)のご招待
5. 個別の質疑応答および動画指導

※配信動画は、指導動画や稽古動画、及び将来資料となる過去の映像などを予定。
サロンコミュニティは、サロン生限定Facebookグループを使用予定。
個別の質疑応答および動画指導は、LINEを使用予定。

【協賛企画】

6. 剣道具購入商品常時 5%OFF(KENDO PARK提供)

上記のほか、様々な方々との対談、大規模なセミナー、全国各地での研修会等、サロン生の方々と一緒に将来色々な取り組みができればと考えています。

「剣道イノベーション研究所」という名前にしたのも、決して単に私の剣道理論を披露する場所ではなく、皆さんと一緒に剣道を探求し剣道観を高めていきたいという想いからです。
それが結果として、私自分の勉強にもなりますし、剣道普及の新しい可能性へ一歩足を前に進めるチャレンジにもなると考えています。

近代柔道の祖である嘉納治五郎先生は、稽古に必要な手順を
①乱取り(=剣道でいうところの地稽古)
②形
③講義
④問答

と示されたそうです。
本研究所もこの4つの柱を大事に構成して参りたいと考えています。

また「稽古照今」(けいこしょうこん)という言葉が、私の座右の銘であります。
「過去の教えから学び、現在に照らし合わせて活かす」ということを表すことばです。
剣道オンラインサロンという新しい土壌を用いて、皆さんと剣道という日本固有の伝統的運動文化を探求しながら今に照らしてみたいと思います

皆様のご入会を、心よりお待ちしております。

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剣道具専門通販セレクトショップ【KENDO PARK】

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