「すぐに竹刀が壊れてしまう。」
剣道をやっていれば、少なからずこのような悩みに直面したことがあると思います。
竹刀は消耗品という側面もありますが、きちんと手入れをすれば長持ちさせることができるようになります。
今回は、絶対に押さえておきたい竹刀の手入れ、また基本的な規定等について確認していきましょう。
|竹刀を手入れしよう!
竹刀の手入れの仕方をお伝えする前に、どうして手入れをしなければならないかについてお教えしようと思います。
それはつまり安全性です。
もし破損した竹刀を使い続けてしまったら、ささくれが相手の目に刺さる可能性もありますし、また防具で守れていない部分に刺さってしまうこともあります。
先革が破れていたりゆるみすぎていたりすると、竹刀がばらばらになってしまう恐れもあります。
稽古中に竹刀の点検があるのも、このような危険をなくすためでもあります。
竹刀が壊れることなく長持ちさせるためには、稽古が終わったあとに竹刀を手入れする必要があるというわけです。
|手入れに必要な道具
①竹刀削り
竹の”ささくれ”を削り取るためのものです。やすりのようなものや刃型のものがあります。
②サンドペーパー
”ささくれ”を削り取った竹の表面を、滑らかにするためのものです。
③竹刀油
竹を適度に保湿し、割れにくくするための専用油です。
|竹刀の点検
①先革(さきがわ)
先革が破れそうだったり、ゆるくなっていないかを確認します。
②中結(なかゆい)
緩い場合は弦を締めなおせば大丈夫ですが、穴が開いていたり破れそうな場合は新しいものに変える必要があります。
中結はゆるんでいないか、切れそうになっていないかを確認します。
中結が緩いと先革もゆるんでしまい、竹刀が壊れやすくなってしまいます。
締めなおして紐が余ってしまった場合は、切るようにしましょう。
③弦(つる)
竹刀がしなった際に、竹同士が離れないよう固定する役割があります。
そのため、常にある程度きつく締めておきましょう。
また、使っていくうちに緩んでくるこがあるので、定期的に締めなおす必要があります。
尚、あまりに強く締めすぎると、竹同士の可動域がなくなり、割れやすくなることがあります。
適度な強さで、締めるようにしましょう
④柄革(つかがわ)
柄革は、常に自分の手になじむようなものを選びましょう。
柄が緩いと手になじまず、打ちが弱くなってしまいます。
また使っていくうちに革が伸びてきてしまうので熱湯をかけて縮めたり、新しい物に買えるようにしましょう。
⑤竹
実際に竹刀の部位で一番打突の衝撃を受けるのは、やはり「竹」です。
物打(ものうち=打突部分)などは、よく”ささくれ”や破損が見られるのでこまめに確認をしてください。
参考記事:竹刀・木刀について【各部位の名称と役割】
|手入れ手順
”ささくれ”を見つけたら、竹刀削り、サンドペーパーを使い、取り除くようにしましょう。
竹が割れている場合や削りとれないほどささくれている場合は、その竹はもう使うことはできません。
非常に危険ですので、こまめにチェックしながら稽古に臨みましょう。
竹刀は4本の竹片から成っていますが、使えない竹片がある場合、他の竹片を使って組み直すことができます。
その際に、他の竹片と節(=竹の幹にある区切り、継ぎ目)の位置が揃っているものを使うようにしましょう。
そのほうが見栄えも良いですし、衝撃がうまく分散されて長持ちします。
そのあとに竹に油を塗っておき、湿気が少なく通気性が良い場所においておけば竹に負担がなく長持ちします。
参考記事:【世界最大の竹刀工場を歩く】宏達(信武商事)
|竹刀の組み方
①竹刀の先に先ゴムをはめ、先革をかぶせる。
②柄の革ひもに弦を通した後小物にも通す。
③柄の革ひもの下に弦を通す。
(このとききつく引っ張らないと弦が緩む原因になります。)
④弦がゆるまないようにしながら根元から弦を革ひもに巻きつけていく。
⑤最後に結わいて固定し、余った弦は切る。
⑥竹刀の長さの4分の1の位置で中結を巻いていく。
⑦3周巻きつけたら弦に通し引っ張る。
(この時も、ゆるまないように注意します。)
⑧下側にきた紐も再び弦に通し引っ張り、上側に行った紐をもう一度弦に通し巻きつければ完成。
(余った紐は切りましょう。)
ここまでできれば、竹刀の手入れは完璧です。
早速お手入れしていきましょう。
|竹刀の規定について
竹刀の規定については、全日本剣道連盟により明確に規定されています。
以下の表にて確認することができます。
参考記事:全剣連完全監修!【竹刀・剣道具(防具)の規定ルール改正を徹底解説】全日本剣道連盟 藤原崇郎
「鍛錬型」竹刀5本セット(32~39)from 熊本武蔵堂
|竹刀を手入れしよう!
竹刀は消耗品です。
防具のように、数年単位で使えるものではありません。
だからこそお手入れをすることで長持ちし、大きくコストカットさせることができます。
何よりも安全に稽古をするためには、きちんと手入れされた正しい竹刀を使うことは大切です。
今回ご紹介した竹刀のお手入れの仕方や規定を頭に入れ、稽古に取り組んでいきましょう。