剣道をやっていない人に剣道のイメージについて聞いてみると、「剣道って、臭いんでしょう?」と言う方がいます。
毎日の稽古で多くの汗を流し、それが染みつく剣道具(防具)や剣道着は、確かに臭くなることがあります。
今回はそんな剣道の「臭い」というイメージを変えるため、剣士の皆様に匂い対策をお伝えします。
|においの原因
剣道のにおいの原因、それはずばり雑菌です。
防具や剣道着に染み付いた汗や皮脂により雑菌が繁殖し、外気と反応することであの独特なにおいが発生します。
さらに道衣(道着)や袴は手軽に洗濯することができますが、防具は性質上毎日洗濯するわけにはいきません。
このように、一番においが強くなりがちなのは防具なのです。
手入れを怠ると瞬く間に雑菌が繁殖してしまいます。
防具のにおいを筆頭に、「剣道はくさい」というイメージが付いてしまっています。
|防具のにおい対策
そんな防具のにおいを防ぐためには、どのような対策が有効なのでしょうか。
いくつかの方法があるので、ぜひ実践してみてください。
1)稽古の後に必ず汗をふき取る
においのもととなる汗や皮脂は、そのまますぐ臭くなるのではなく、その後雑菌が分解することでにおいが発生します。
使った後すぐに、除菌シートなどで汗を拭きとれば清潔さを保つことができるのです。
その後除菌スプレーなどを吹きかけ、しっかりと乾燥させればにおいはつきにくくなりますし、日光に一定時間あてる、というのも有効です。
2)体を清潔に保つ
剣道をする前に、体を清潔にすることも大切です。
これによって、防具につく汚れを減らすことができます。
特に、小手や面に直接接触する顔や手は特に綺麗にしましょう。
3)汗を吸ってくれる道具の活用
防具に汗がしみるのを防ぐために、2つのアイテムをご紹介します。
・小手下
剣道をやっていると、汗で小手がじっとり濡れる感覚があると思います。
そのような違和感を軽減してくれるのが小手下です。
薄い手袋のようなもので、小手に直接汗がしみるのを防いでくれ、においがつきにくくしてくれます。
・顎あて
小手と同様に、面で最も汗がついてしまう部分があごです。
切った手ぬぐいを使う場合や、市販のものもあります。
どちらを使ってもいいのですが、これによって小手下同様に汗がしみるのを防ぎ、雑菌の繁殖を抑えることができます。
参考記事:【剣道防具のクリーニングとは?】プロへの依頼から自宅洗浄まで全解説!
|既に臭いがついてしまっている場合
においの予防といっても、もうすでににおいが防具についてしまっている場合もあります。
これからも同じ防具を使っていきたい、でもにおいは取り除きたい、というケースも多くあると思います。
そのようなときは、剣道防具クリーニングをするべきです。
剣道防具のクリーニングは、クリーニングのみであれば一式5000円〜1万円程度で行うことができます。
(送料、藍染し直し、胴磨き等は料金が別途かかることがあります)
期間は1〜2週間程度なので、オフ期間中、稽古の合間、試合用の防具等のにおいを取り除きたい場合はとてもオススメです。
|防具の洗い方
先ほどお伝えしたように、大切な防具は専門の業者に頼んでクリーニングしてもらうのが良いでしょう。
防具が痛む心配もありませんし、とても綺麗に仕上がります。
一方で毎日クリーニングに出すわけにも行きませんので、自分で洗う方法も紹介致します。
面の洗い方
顔面が接触する内輪部分を中心に、面はにおいがつよい部位の一つです。
汗を吸ったあとに放置しておくと、塩分により部分的に白くなったりします。
このようなときは、一度洗ってみるのもありかもしれません。
手順は以下の通りです。
1)ぬるま湯につけて汗の汚れを取る
ぬるま湯につけるだけでも、大部分の汚れは落ちますし、汚れが軽度ならこれだけでいいかもしれません。
つける際に、市販の中性洗剤を少量入れても良いでしょう。
2)ブラシでやさしくこする
汗の汚れはつけ置きだけでもとれるものが多いですが、皮脂系の汚れはなかなか落ちません。
つけ置きした後にブラシでこする必要があります。
ブラシはやわらかめの使わなくなった歯ブラシなどがいいかもしれません。
面が痛まないよう、優しくこするようにしましょう。
3)陰干し
面を洗ったら、そのあと日の当たらない場所で乾かす必要があります。
日が当たると生地が縮んでしまうことがあるので気を付けてください。
4)革の保護
面が乾いたら、最後に面に使われている革を保護するクリームなどをつけるようにしましょう。
参考記事:【剣道防具のクリーニングとは?】プロへの依頼から自宅洗浄まで全解説!
小手の洗い方
小手は最も臭くなりやすい部位なので、こまめ洗う必要があります。
1)ぬるま湯に入れ、揉み洗いする
ぬるま湯につけることで、ある程度の汗、皮脂の汚れを落とせます。
一旦つけた後に、すすぎをきちんと行うようにします。
中性洗剤を使えば、より効率よく洗えるでしょう。
2)陰干しする
風通しの良い日陰の場所で干し、よく乾かすようにしましょう。
雨天の場合は、室内干しでも十分でしょう。
※剣道防具の洗濯は、自己責任において行なってください。
防具の布団に対して、全くダメージがないということはありませんので、少なからず布団を傷める可能性があることを理解して行いましょう。
参考記事:【剣道防具のクリーニングとは?】プロへの依頼から自宅洗浄まで全解説!
剣道着の洗い方
胴着
胴着は特に1日経てばすぐに臭くなってしまいますので、なるべく毎回洗うことをお勧めします。
ジャージ生地の胴着も綿の生地の胴着も基本的に洗い方は同じです。
1)洗濯機で洗う
洗剤だけでなく柔軟剤を入れて洗う。
柔軟剤を入れることで臭いも肌触りも良くなります。
紐が取れる恐れがあるので洗濯ネットで洗ってみましょう。
※綿の胴着は色落ちが激しいので洋服と一緒に洗うと色がうつってしまうので、胴着だけで洗うことをお勧めします。
2)陰干しする
風通しの良い日陰の場所で干し、よく乾かすようにしましょう
裏返して干すことにより色落ちを多少防ぐことができます。
袴
袴は胴着と比べると臭くなりにくいですが、かなり汗を吸っているので清潔に保つには毎回洗うことをお勧めします
テトロン生地の袴は胴着と同様に洗濯機で構いません。
しかし、綿の生地の袴は折り目が崩れてしまうので違った方法をお勧めします。
1)ある程度折り目を整える
買った時の折り目の通りに整えます
2)浴槽にぬるま湯を溜める
浴槽にぬるま湯を溜め、折り目を整えた袴を入れます。
そこに液体洗剤を少し入れます。
3)踏み洗い
袴を踏み洗いします。
踏んでいくと汚れが落ちていきます。
汚れが出なくなったら、折り目を整えた状態で袴を畳みます。
4)脱水する
畳んだ状態の袴を洗濯用ネットに入れ脱水にかけます。
洗濯用ネットに入れることで崩れにくくなります。
5)陰干し
風通しの良い日陰の場所で干し、よく乾かすようにしましょう。
日陰で干すことにより、色落ちを防ぐことができます。
綿の生地の袴は折り目を揃えてお風呂場でシャワーで流しながら踏み洗いと汗や汚れが落ちます。
※剣道着の取り扱いは、自己責任において行ってください。
|最新の防臭剣道具
最近だと、においを消す消臭スプレー以外にも、多くの防臭グッズがあります。
抗菌加工をしてあり洗濯可能な小手や、防臭加工の施されたジャージ道着や袴など、調べるとたくさん見つかります。
自分に合った剣道具を選ぶ際に、「防臭性」というものにも注目して買ってみてはいかがでしょうか。
参考記事:最新!【洗える剣道具・防具特集】
「洗濯できる小手」の商品例
|剣道具のにおいについて
剣道をするにあたって、においとの闘いは必須です。
剣道具を長持ちさせるという意味でも、稽古をしたら必ず防具の手入れを行うようにしましょう。
こまめに手入れし、防臭を心掛けるようにすれば、「くさい」という剣道のイメージを塗り替え、かつ快適に日々の稽古に取り組むことができることでしょう。
中学に入学して剣道部へ入部しました。この記事はたいへん役立ちました。