【剣道防具(剣道具)の着方・つけ方】

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剣道着装

剣道を始めた頃は、誰でも防具・剣道具を装着するのに苦戦するものです。

「見た目の着装は、剣道の強さにも比例する」とも言われますので、改めて着方・つけ方を整理しましょう。


以下注記
※(財)全日本剣道連盟制定名称に沿って、部位の表記をしております。
※小手 / 甲手に関しては、(財)全日本剣道連盟公認名称に沿って「小手」と表記いたします。

|装着するその前に

防具・剣道具は、自分の身を守ってくれるものです。

装着する前に、自身が使う防具が消耗していないか(小手に穴があいている、胴紐・面紐がきれそう)を確認することが大事です。もし消耗しているのであれば、できるだけ早めに交換・購入しましょう。

防具は必ず正座して装着するようにしましょう。

もちろん垂のように、正座したままだとつけにくいものもありますので、
その場合は立膝にて装着するようにしましょう。

|面のつけ方

下付けの場合(スタンダードタイプ)

現在ほとんどの剣道家の方が、この手法で面を装着しています。

メリットとしては、面付けが早いのと着脱がしやすいことです。
一方で結び目の位置が悪かったりすると、固定できないことがあります。

動画出典:東山堂京都武道具YouTube公式チャンネル

1) 面紐を持ちながら、面布団※の両端をしっかりと広げます。

2) 手ぬぐいがズレ落ちないよう、面に顎から顔を入れます。顎は天地※の“地”の部分に、額は天地の“天”の部分に接着するようにします。

3) 面紐の結び目が、後頭部目の後ろ、及び頭頂部の下あたりに来るように調整して強く締めます。

4) 面紐が緩まないようにしながら、後頭部に面紐を持って行き、蝶結びで固定します。

5) 面紐の長さが結び目から約40cm程度になるように調整し、ねじれている部分は揃えます。

6) 耳と面布団の間を手で広げ、緩まない程度に隙間を作ります。

上付けの場合(オールドタイプ)

近年あまり見かけなくなりましたが、全日本選手権者の寺本選手がこの手法で面をつけているので、ご存知の方も多いかもしれません。
メリットとしては、何と言っても固定力が高いことです。
一方で長めの面紐が必要なのと、装着に少し時間がかかるので、稽古で先生にかかる際は不便かもしれません。

出典:東山堂京都武道具YouTube公式チャンネル

1) 面布団※の両端をしっかりと広げます。

2) 手ぬぐいがズレ落ちないよう、面に顎から顔を入れます。顎は天地※の“地”の部分に、額は天地の“天”の部分に接着するようにします。

3) 面紐の結び目が、後頭部目の後ろ、及び頭頂部の下あたりに来るように調整して後頭部で面紐を交差させます。

4) 面紐が緩まないようにしながら、強く締めます。

5) 面紐前に持って行き、面金の顎の部分で再び交差させます。

6) 面紐を後ろに持って行き、再度後頭部で面紐を交差させます。

7) 面紐を前に持って行き、面金※の一番上の隙間に交差させるように通します。

8) 面紐の長さが結び目から約40cm程度になるように調整し、ねじれている部分は揃えます。

9) 耳と面布団の間を手で広げ、緩まない程度に隙間を作ります。

ポイント

・物見※に目線が来るように調整しましょう。
目線が異なる場合、顔がうまく収まっていないか、サイズが合っていない可能性があります。

・面紐のねじれがないようにしましょう。

・後頭部目の後ろ、及び頭頂部の下あたりに来るように調整しましょう。
結び目が上すぎると外れやすく、下すぎると打突の衝撃が大きく、かつ面の型が崩れやすくなります。

・後頭部が出すぎていないか、確認しましょう。
出過ぎている場合は、顔がうまく収まっていないか、サイズが合っていない可能性があります。
体当たりをした際に、ごく稀に後方へ転倒して後頭部から床に落ちることがありますので、後頭部が出過ぎている場合は注意が必要です。

・装着後に必ず耳と面布団※の間を手で広げ、緩まない程度に隙間を作りましょう。
耳が密閉されていると、打突を受けた際に鼓膜にダメージが蓄積される可能性があります。
特に固定力の強い下付けの場合は、注意が必要です。

※各用語の意味はこちらの記事にてご確認ください。
【剣道防具(剣道具)の名称一覧】

|小手のつけ方

小手のつけ方
画像出典:石渡康二(イラスト)・劔人舎(発行)「剣道用具マニュアル 2023年」

1) 小手頭※を押し込んで、手にはめます。

2) 腕部分の小手布団※を押し込んで、指を奥まで入れます。

ポイント

・小手の肘部分、小手布団※の端を持って引っ張らないようにしましょう。
小手の型が崩れる原因となります。

※各用語の意味はこちらの記事にてご確認ください。
【剣道防具(剣道具)の名称一覧】

|垂のつけ方

垂のつけ方
画像出典:石渡康二(イラスト)・劔人舎(発行)「剣道用具マニュアル 2023年」

1) 大垂※が前に来るように、垂れを腰にあてます。
この時、腹帯※が腹から下腹部分、大垂・小垂※が大腿部分の位置に来るようにあてます。

2) 垂紐※を後ろに回し、袴の腰板の上でクロスさせて締めます。
この時、腰板の下部に垂紐が来ていると、うまく締まります。

3) 垂紐を前に持って行き、垂れ名札(=ゼッケン・垂れネーム)の裏の位置で蝶結びをして固定します。

4) 蝶結びをした垂紐を、横の小垂の裏に押し込みます。

ポイント

・垂紐は、必ず袴の腰板の上になるように巻きましょう。
腰板の下になると、後ろから見るとだらしなく見えたり、袴が緩んでしまったりする可能性があります。

・袴の角度に沿って装着するようにしましょう。
もともと袴は「前下がり、後ろ上がり」が基本です。
垂もこれに沿って巻くことで、袴も締まって腰部分が安定します。

・装着後に、足さばきや大腿部の動きを邪魔しないかチェックしましょう。
つける位置が下すぎると、足の動きを阻害することがあります。

※各用語の意味はこちらの記事にてご確認ください。
【剣道防具(剣道具)の名称一覧】

|胴のつけ方

胴紐の結び方には、かなりの種類があります。以下の画像にその一部をまとめました。

胴のつけ方01
画像出典:石渡康二(イラスト)・劔人舎(発行)「剣道用具マニュアル 2023年」

どれが良いかよくわからないので、ここでは一番外れにくいと思われる手法をご紹介します。
高校時代に先生に教わった手法ですが、それ以降一度も外れたことがありません。

胴のつけ方02
画像出典:石渡康二(イラスト)・劔人舎(発行)「剣道用具マニュアル 2023年」

1) 胴紐を胸乳革※の根元に持って行き。グルっと1周〜2周させる。(2周したほうが固定力はアップします。)

2) 輪っかを作り、その輪っかを胸乳革に通します。

3) 下の巻きつけた紐を引き上げ、きつく締めます。

ポイント

・画像では胸乳革への巻きつけが1周になっておりますが、できれば2周巻きつけるようにしましょう。
巻きつけた紐の強度が増し、激しい稽古をしても動かなくなります。

・最後に紐を引き上げる際には、きつく締め上げましょう。
たとえきつく締めたとしても、ただ輪っかを通しているだけなので容易に外すことができます。

|着装にはこだわろう!

防具・剣道具はスポーツギアでありながら、日本伝統の武道具であります。
ただ単に身につければ良い、ということではありません。

見た目が美しいだけで、相手に与える印象もかなり変わってきます。
試合であれば、それだけで相手より精神的に上に立てることもよくあります。

普段無意識で装着している方も、今一度鏡の前で自分の着装を確認しましょう。

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