誰もが知る国産剣道具のブランドメーカーの1つである、ミツボシの剣道具(防具)をご紹介します。
稽古用でも試合用でもしっかりと使用できる幅広い対応力と、藍染の生地の色合い、コシのある布団が成す着装美が魅力です。
ミツボシの商品でも人気のある「天」、「峰」、「豪」についてまとめています。
|ノンストレスで見た目も良い【天】
追及された「着け心地」
ミツボシ「天」には、刺幅や仕様によっていくつかのタイプがありますが、全ての刺幅でピッチ刺と織刺を採用しています。
その中でも「極厚8mm」タイプは、見た目もさることながら耐久性と柔軟性を兼ね備えたシグニチャータイプです。
また全てを完全受注生産で製造するため、ジャストサイズでのご提供になっております。
比較的幅広い世代に使用されており、稽古と試合の双方において、装着している選手が数多く見受けられます。
着装美
色合いがとても良いです。
本来剣道具(防具)は、使い込むと同時に藍が色落ちしていきますが、この天は面、小手、垂のヘリに紺革を使用し、高品質の藍染を織刺生地全体に使用しているため、長年に渡って色の変化を楽しみつつ丈夫に使うことができます。
長く安全に使う事が可能であり、尚且つ見た目が良い事も、ミツボシ防具の特徴です。
次に、布団についてです。
この柔らかさと衝撃吸収に長けた布団は、稽古でも試合でも使用できるオールラウンダーと言えます。
特に試合や審査の着装で重視される、面型や全体のバランスの良さに対しては期待以上のクオリティーであると言えます。
面型に関しては、布団の柔らかさと具の目刺し(=生地に対して直角に縫う方法)によって程よく残る硬さのバランスが絶妙です。
垂は額刺(=額縁のような刺し方)であり、見た目の良さと型の付きやすさがあります。
ピッチ刺で使用している糸は、ほつれにくい素材で布団を締め上げ、そうでない部分は盛り上がり、見た目も良く長持ちします。
※セット価格:税抜100,000円(2020年現在)
【天】極厚8mm織刺 セット
【天】極圧8mm織刺 面
面金はジュラルミンを用い、軽くて丈夫です。
昨今の多くの防具はこれを使用しています。
面垂は柔らかいだけでなく、長時間の使用でもしっかりと型が着いた状態に決まります。
打突の邪魔をしない、調度良い柔らかさです。
顔が直接当たる内輪は、使えば使う程に馴染みます。
また強い打突や激しい攻防、掛かり稽古においても顔からズレることなく使用できます。
打突から喉を守る、IBBセーフティーガードも取り付け可能なので、稽古も安心してご使用いただけます。
※オーダー次第で木綿(綿の素材)とシルリード(ジャージ素材)から選べます。
※学生による6年稽古使用例
【天】極圧8mm織刺 小手
小手は国産「鎧型」(=小手頭の指の間部分に縦に飾りが入っている)です。
小指、薬指、中指に力が入るような設計で、打突の妨げにならない本格派の小手だと言えます。
使用用途を選ばない、バランスのいい小手です。
極端に毛詰めが薄いということは決してなく、通常の稽古で打突を受けても安心できます。
手の内はミクロパンチ(=小さな穴の開いた手の内)で、夏場の稽古でも快適に使用できるようになっています。
※オーダー次第で、手の内を鹿革にも変更できます。
※学生による6年稽古使用例
【天】極圧8mm織刺 垂
垂についても、ミツボシのこだわった着け心地を体感していただけます。
面垂と同様、打突を邪魔しない柔らかさがあります。
一方で垂の重要な役割である、腰部分をしっかりと締める事が出来ます。
これにより、丹田(へその下の部分)に力を入れやすくなっております。
防具の各部分での着け心地の良さにより、文字通り「ノンストレス」な防具と言えるでしょう。
※学生による6年稽古使用例
|ミシン刺最上製ブランド【峰】
着け心地を超えた「一体感」
ミツボシの「峰」は、簡単に言えば「天」の上位互換モデルです。
「天」の持つミツボシならではの魅力をさらに引き出し、高級感を持たせた防具です。
ここでは、峰の代表作で最も人気の「旭峰」をご紹介します。
全体に紺革を用いており、高級感があります。
値段はセット一式で20万円前と、ミシン刺防具の中では高めです。
ミシン刺でありながら、試合や昇段審査で使用者が多いのも特徴です。
そのため、日本代表選手の中にも「旭峰」ユーザーが存在します。
凛々しさと圧倒的な「存在感」
峰の最大の特徴は、耐久性と機能性、そして現代剣道のニーズに答えながら、どの道場や会場にいても’格好が良い’事です。
少し抽象的に聞こえるかもしえませんが、剣道においては意外にも重要です。
稽古場においては指導者としての風格を、試合審査場では相手よりも美しさと圧倒的な威圧感と存在感を持つ事が約束されます。
この様に、他者からの第一印象をしっかりと決める事で、より良い稽古、良い内容の試合運びが可能になります。
布団の芯材、丁寧なピッチ刺しで用いる糸、美しさの決め手となる藍染と紺革、見た目を決める全ての要素が最高品質であると言えます。
剣士の醸し出す’凛々しさ’は防具を着け始める瞬間の着装と立ち振る舞いで決まると言えます。
この峰シリーズは、先生や選手の修行の成果を遺憾なく発揮する為の最適な防具であり、着けた瞬間からその存在感を示す事が可能です。
剣道を続ける身であるなら是非一度は着けてみたい、その様な気持ちにすらさせる防具です。
ミツボシ【旭峰】 セット
ミツボシ【旭峰】面
「天」の上位互換と言うだけあり、「天」以上の着け心地を持っています。
勿論、オーダーメイドで岩手県久慈市のミツボシの工場で1つ1つ製作します。
使用者のあらゆる細かい希望に寄り添った、自分だけの防具を製造できます。
では、パーツ単体毎に見ていきましょう。
まず面についてです。
面金には、面金配置を進化させたIBBジュラルミンが使用されています。
※参考記事:製作映像あり!【面金の種類と作り方とは?】高井武道具
面垂は、天よりもさらに布団のクオリティーが上がり、手刺の様な柔らかさとコシがあります。
具の目刺しを用いており、面型も自分の思う形に美しく決まって長時間の試合や稽古でも崩れることがありません。
内輪も使う程に馴染むのと同時に、ズレを軽減するこだわりの使用感が追求されております。
ミツボシ【旭峰】 小手
旭峰は総鹿革となっています。
高級感と着け心地の良さ、素手感覚の握りと衝撃吸収性を備えており、ここぞという試合でも高段者の先生方でも問題なく使用いただく事が出来ます。
ミツボシ【旭峰】垂
胴も着装感を重視した形の良い製品です。
峰謹製はシンプルなデザインを採用しておりますが、他の3製品はオリジナルでデザインすることが出来ます。
垂は芯材と刺し方に拘った事で、柔らかさとコシの絶妙なバランスを持つ布団、丹田に力を込めて腰からの打突をサポートする事が可能な作りとなっています。
特に布団については、単に柔らかいだけではなく適度なハリを持たせているので、こちらも先生方が使われるミシン刺し防具であると言えるでしょう。
正にノンストレスを超え、剣道を志す者との一体感を形容するに相応しい、高級な防具です。
|ミツボシエントリーモデル【豪】
値段以上
ミツボシの中でも、比較的廉価で初心者や稽古用にもおすすめなのが、この「豪」です。
「峰」、「天」の型はそのままに、ミツボシがエントリーモデルとしてリリースした剣道具(防具)です。
デザインはシンプルながらも潔さと競技者らしさが出ています。
「セカンド防具」としても最適
稽古を続けていると、どうしても色落ちや擦れが出てきます。
大切な試合や審査への気持ちをより強く高める為にも、セカンド防具(稽古で主に使うことを目的とした剣道具)という概念が必要です。
高品質でありながら、低価格でお求めいただけます。
その様な中で、稽古でも妥協せずにしっかり取り組みたい、そんな思いをサポートする事が出来る剣道具(防具)は「豪」だと言えます。
また剣道を始めたばかりの方も、高品質な剣道具(防具)を使用すべきです。
剣道では立ち姿、打突時の体勢、残心など、姿勢において学ぶべき事が多いです。
姿勢の良さそして打突の良さ、と剣道を追求する為に、より良い品質の防具で鍛錬なさる事も成長の近道になります。
※セット価格:税抜42,000円(2020年現在)
ミツボシ 【豪】セット
ミツボシ【豪】面
面は、ジュラルミン(天も同様)面金、内輪は東レシルリードを使用しております。
汗を吸いやすく乾燥しやすい便利な素材です。
面垂は具の目刺しで、見た目が良く形崩れしにくいです。IBBセーフティーガードが付き、稽古に最適です。
ミツボシ 【豪】小手
小手は、鎧型という初心者にも握りやすい形状になっております。
使用感を追求した形は、立体的に構えをサポートします。
手の内はクラリーノ(=合成革皮)を使用しております。
右筒が厚く出来ており、打突に強いです。
ミツボシ【豪】垂
垂は「峰」、「天」と同じ額刺となっており、高級感を演出しています。
厚みがあって腰にフィットしやすいです。
より良い防具の研究と流行の形を融合し、使いやすさと打突の防御力を計算して作られ、十分にその役割を果たすと言えます。
ミツボシという大手の武防具メーカーだからこそなし得る、価格とクオリティーです。
|ミツボシブランドを知る
今回は、ミツボシで製造されている3つの防具について記しました。
着け心地と着装にこだわったミツボシ品質の代表作である「天」、さらに研ぎ澄まされ手刺しにも劣らない品質を持つ最高級ミシン刺し防具「峰」、初心者からでもご使用になれる高品質な「豪」、どれも剣道をする上で一押しの逸品です。
剣道具は本来、「防ぐ道具」としての役割があります。
これらの防具はその役割を完全に果たしつつ、動きやすさと美しさを兼ね備えた防具であると言えます。
どの防具もおすすめですので、用途に合わせてぜひご使用なさってはいかかでしょうか。
メーカーインタビュー記事:【我々がやらなければ誰がやる】東山堂 / ミツボシ