▼スペシャルインタビュー▼
「30歳からの社会人剣道」
〜三井住友海上火災保険株式会社剣道部副主将 井口亮(2)〜
年齢と共に、いかに剣道を変化させていくかをお話しいただきました。
(以下 KENDO PARK=KP 井口亮=井口 三井住友海上火災保険株式会社=三井住友海上)
-井口亮-
1987年生 埼玉県出身
長瀞修身館(@埼玉県)で剣道を始め、小学生で全国道連大会個人3位。
熊谷高校時代には国体優勝。
その後慶應義塾大学へ進学し、3年時に関東学生優勝大会準優勝。4年時主将に就任。
卒業後は三井住友海上火災保険(株)に入社し、関東実業団大会優勝2回、全日本実業団大会3位1回。
現在三井住友海上火災保険(株)剣道部副主将。
※前回まで 第一部「レベルに合わせて強くなる」
|剣道も年齢とともに変化すべき
KP:
30歳を迎えるにあたって、今後の課題を教えてください。
井口:
まずは「迷ったら半歩前に」を継続することですね。
打突力は落ちてくるかもしれませんが、前への推進力は失いたくないです。
また、これまでは得意技の小手や引き面をはじめ、9割方が変化技だったのを、今後は直線的な技の比率を増やしていきたいです。
もちろん年齢とともに技のキレは落ちてきますが、真っ直ぐ打つ技を混ぜることで、得意技がさらに活きるのではないかと思います。
今は稽古の中で、”いかに左手を前に出すか”を意識して稽古を行っています。
一時的に試合で負けることも多くなりますが、今後の進化のためには必要なプロセスだと思っています。
KP:
せっかくなので、社会人の方でも取り組める技を一つ教えてください。
井口:
わかりました(笑)
私の得意技の一つである”フェイク小手”であれば、取り組めると思います。
面のフェイクを入れて、手元を上げさせてから小手に行きます。
※お話を元に、以下にポイントをまとめました。
▼順序
1足さばきとしては、真っ直ぐなるべく相手の近くまで踏み込む
2竹刀は右上方向へ持って行き、”面に行く”フェイクをかける
(下記写真参照)
3相手の手元が上がったところで、小手を打つ・
▼ポイント
・とにかく深く踏み込む。
・小手と面を隠しながら、フェイクをかける。(下記写真参照)
・小手の打突は、間合いが近くなるため左手を引いて調整。
▼考え方
・相手の”防衛本能”を喚起し、手元を上げさせることが目的。
・打つタイミングは各人の感覚的なものなので、最初は目つぶって”1、2の3”でOK。
・まずは”手元をあげさせた景色”を見ること。
・小手まで行けなくとも、最悪鍔競りになるだけなので、打たれるリスクも少ない。
|自分に合った環境を見つける
KP:
丁寧にご説明いただき、ありがとうございます。
町道場だと地稽古しかしないケースが多いので、なかなか技の練習ができないという声を多数いただきます。
井口:
それは感じます。
その点で、実業団チームはいろいろな年齢やレベルの方がいらっしゃいますし、社会人が剣道を続ける環境が整っていると思います。
出稽古や練習試合にいらっしゃる方も多いです。
KP:
一般の方も参加できるのですか?
井口:
もちろん事前の確認と人数の制限はありますが、いらっしゃっていただくのは特に問題ないと思います。
(会社の施設なので、一概には言えませんが)
KP:
私も幾つか実業団チームにお邪魔しましたが、きっちり事前連絡すれば断られることはあまりないですよね
今は個人的なつながりで連絡を取るしかないですが、一般の方が気軽にいらっしゃるようなマッチングシステムがあっても良いかもしれませんね。
井口:
そうですね。実業団チームは”リバ剣”の方との親和性も高いと思います。
新しい道場なので、みなさんのお越しをお待ちしております。
運営から:
今回は、雑誌等でもなかなか見られない、実践的な技まで教えていただきました。
町道場でも学校でもない”実業団”という環境は、社会人剣道にとって最高の環境なのかもしれません。
(トップ企業ですので、施設も素晴らしいです)
自分に合った環境で剣道を続けることこそ、継続の秘訣だと感じました。
今後も武道具店・現役選手・師範先生等、様々なカテゴリの方のインタビューを掲載してまいります。
どうぞご期待ください。
またKENDO PARKでは、皆様からのご意見等をお待ちしております。
引き続きご愛顧のほど、よろしくお願いいたします。