竹刀には長さ、重さ、太さ、重心、柄、など様々な種類のものがあり、値段もまちまちです。
公式戦には規定もありますし、どのような剣道をするのか等によって、選ぶ竹刀は変わってきます。
竹刀はとても種類が豊富な為どんな竹刀が自分に合うのかを見つけることは中々難しいですが、自分に求める剣道に合った竹刀を選ぶことも剣道の醍醐味の一つです。
この記事では、どのように竹刀を選べばよいかを種類ごとにご紹介致します。
|目次
重心のタイプ
▶︎通常・普及型 スタンダード・稽古向き
▶︎胴張・実践型 スピード重視・実践型・操作性に優れている
▶︎古刀型 打突の強度重視
柄のタイプ別
▶︎丸型 スタンダード・操作性に優れている
▶︎小判型 刃筋正しさ、竹刀の握り方の矯正
▶︎八角型 操作性に特に優れている
▶︎八角小判型 刃筋正しさ、操作性に特に優れている
▶︎柄細型 手が小さい人向け
▶︎柄太型 手が大きい人向け
▶︎柄短型 突きや遠間の技向け
▶︎柄長型 近間、小手や引き技向け
素材のタイプ別
その他
▶︎手作り竹刀
|公式戦の竹刀規定
竹刀を選ぶにあたって、全日本剣道連盟が定めた規定があります。
試合にはどんな竹刀を使ってもよいわけではなく、年齢と性別によって試合に使ってよい長さ、重さ、太さに違いがあります。
まずは竹刀の年齢と性別による規定をご紹介していきます。
小学生以下の場合(3尺〜3尺6寸)
小学生が使用する竹刀は、低学年が3.0(さぶぜろ=3尺)、3.2(さぶに=3尺2寸)、3.3(さぶさん=3尺3寸)を使用します。
高学年は、3.4(さぶよん=3尺4寸)、3.5(さぶご=3尺5寸)、3.6(さぶろく=3尺6寸)を使用します。
小学生の間は、身長に合わせてどの竹刀を使用するか選ぶことが多く、一般に「足から脇と肩の中間地点までの長さと同じ」が丁度よいとされています。
中学生の場合(3尺7寸)
中学生以上では、多くの公式戦で竹刀検量があります。
その際に、長さと重さがあらかじめ規定されています。
長さ:男女共通3.7(さぶなな・さぶしち=3尺7寸=約114cm)以下
重さ:男性440g以上 女性400g以上
太さ:男性先革直径25mm以上 女性先革直径24mm以上
高校生の場合(3尺8寸)
高校生の公式戦では、厳格な竹刀検量が実施されます。
長さ:男女共通3.8(さぶはち=3尺8寸=約117cm)以下
重さ:男性480g以上 女性420g以上
太さ:男性先革直径26mm以上 女性先革直径25mm以上
大学生・一般の場合(3尺9寸竹刀)
大学生以上では、竹刀規定は統一されます。
一般の方も、以下の規定が適用されます。
長さ:男女共通3.9(さぶはち=3尺9寸=約120cm)以下
重さ:男性510g以上 女性440g以上
太さ:男性先革直径26mm以上 女性先革直径25mm以上
竹刀の種類
竹刀には、”重心” ”柄” ”素材” によって様々なタイプがあります。
以下に、重心、柄、素材ごとのタイプ別にご紹介していきます。
|重心のタイプ
竹刀には、”重心” のタイプには「通常・普及型」「胴張・実践型」「古刀型」の3種類があります。
1 通常・普及型
通常・普及型は最も一般的な竹刀で、各地で多く普及していることもあり、”普及型”とも言われることがあります。
初心者の頃に最初に使った竹刀は基本的にこの型になります。
子供から大人まで幅広い世代に使用されています。
この型は試合などで使われるのではなく、稽古を中心に使用することが多いため、剣先を削ることはせず耐久性の高い作りになっています。
激しい稽古や使用頻度の高い稽古での使用する際の竹刀としておすすめです。
【信剣】並製丸型
【世界最大竹刀工場「宏達」】
世界最大かつ最高安全水準の竹刀製造工場をもつ、「宏達」産の竹刀。
【柄丸型】
36以下柄:通常サイズ
37男子柄:直径22mm
37女子柄:直径21.5mm
38男子柄:直径23mm
38女子柄:直径22mm
39男子柄:直径25mm
39女子柄:直径24mm
「鍛錬型」通常汎用竹刀
【丸型通常竹刀】
最も一般的な、丸型の柄に通常バランスの竹刀です。
使用する選手を選ばない、汎用的タイプです。
・新試合規格対応
・丸型通常竹刀
・SSP規格適合
・廉価汎用シリーズ
・32~39
・完成品・弦白色のみ
・まとめ買い割引あり
2 胴張型・実戦型(どうばりがた)
竹刀のうち、最も膨らんでいる節の部分が太くなっている竹刀です。
胴張にすることで重心が手元寄りにくるため、竹刀を持った時に軽く感じます。
剣先をさらに細くしたものを、実戦型と呼ぶ事もあり学生の多くは試合で使用することが多い種類の一つでもあります。
操作性が高く、近間での連続技、引き技が得意な人が好んで使う傾向があります。
一方で、剣先が細くなっているため若干打突の強さや耐久性に劣ります。
稽古と比べると使用頻度の低く、スピードが求められる試合で使用することをおすすめします。
【剣威】並製胴張
【柄丸型】
37柄:直径23.5mm
38柄:直径24.5mm
39柄:直径25.5mm
【紅桜】女性用並製胴張
【柄丸型】
37柄:直径23.5mm
38柄:直径23.5mm
39柄:直径24.5mm
3 古刀型(ことうがた)
比較的節の部分の凹凸やふくらみが少なく、全長に渡って太さの変化が少ない竹刀です。
重心が剣先寄りとなり、打突の強さや打感を重視する人が好む竹刀です。
比較的耐久性が高い事も特徴ですが、一方で操作性には優れません。
打突力を補うために使用する人も多いことも古刀型の特徴と言え、審査の相手との攻め合いの中での相打ちの手助けをしてくれます。
【一徹】並製古刀
【柄丸型】
38柄:直径24.5mm
39柄:直径25mm
【艶】女性用並製古刀
【柄丸型】
38柄:直径23mm
39柄:直径24mm
|柄のタイプ別
これまでは、竹刀の「重心」のタイプ別に紹介してきましたが、
次に竹刀のグリップ部を指す”柄”にも、いくつか種類がありますのでご紹介していきます。
丸型
市販の竹刀で一番多いタイプで、柄の形状が円形のものです。
円形になっているため、竹刀操作がしやすいことが特徴的です。
しかし、竹刀が回ってしまう恐れもあるのでそこには注意が必要です。
多く普及されていることもあり、まずはこの丸型の竹刀を使う人が多いです。
【信剣】並製
小判型
柄の形状が楕円形になっているタイプです。
日本刀の形状に近く、握りや刃筋の正しさや握りの矯正を目的に使用することが多いです。
初心者の方には正しい握りや刃筋を身につけるためにも、小判型で始めることをおすすめします。
【颯爽】男子用並製小判
【柄小判型】
36以下柄:小判通常サイズ
37柄:縦直径25mm / 横直径19mm
38柄:縦直径26mm / 横直径20mm
39柄:縦直径28mm / 横直径22mm
八角型
柄の形状が八角形になっているタイプです。
角が多い分、手にかかりやすく操作性が高いのが特徴です。
大学などで活躍されている選手も八角型を使用している方も見受けられます。
一方で製作が難しい分、流通量が少なく割高といわれています。
【八重劔】正八角古刀
【柄正八角型】
38柄:直径27mm
39柄:直径27mm
【八劔】八角小判胴張
【柄八角小判型】
38柄:縦直径31mm / 横直径25mm
39柄:縦直径33mm / 横直径25mm
八角小判型
柄の形状が楕円形かつ、八角形になっているタイプです。
刃筋の正しさや、操作性にこだわる選手に使われているタイプです。
八角型と同様、流通量が少なく割高といわれています。
【八重劔】正八角古刀
【八劔】八角小判胴張
柄細型
柄が細く、手の小さい選手が握りやすいように作られた竹刀です。
手元が細い分、重心が剣先によっているのも特徴です。
それにより、持った感覚は通常の竹刀より重く感じます。
太い竹刀だと切り返しの時に腕が疲れてしまう人におすすめです。
柄太型
柄が太く、手の大きい選手用の竹刀です。
重心が手元に寄っているため、剣先が軽く操作性が高いので試合で使用する選手が多いのが特徴です。
長時間使用するのではなく、短時間使用する試合で使用するのにおすすめです。
柄短型
柄が短めになっている竹刀です。
小技ではなく、遠間からの面や突き技を得意とする選手が好んで使う傾向があります。
また構えのバランスがとりやすく伸びのある技を打ちたい人にはおすすめです。
柄長型
柄が長めになっている竹刀です。
近い間合いでの操作性や、小手技、引き技等を得意とする選手が好んで使う傾向があります。
柄を長くすると軽く感じるため、試合では試合で使用する人が多い傾向があります。
|素材のタイプ別
竹刀の”素材”は、大きく分けて3つあります。
桂竹(けいちく)
最も普及している素材です。
比較的安価なので、練習用で使う人が多いです。
現在流通している桂竹竹刀のほとんどは、台湾産といわれています。
真竹(まだけ)
高級な竹の素材で作られており、値段も比較的高額になります。
比較的硬めでしなりが少なく、打感がしっかりとしているのが特徴です。
耐久性も高いため、試合用や高段者用として使用される傾向にあります。
カーボン
炭素素材のカーボン製竹刀です。
竹のように割れたり破損することが少なく、手入れが容易なため小中学生を中心に使用されています。
一方で、竹よりもはるかにしなりが大きいため、打感や打突時の音はかなり劣ることから試合ではあまり使われません。
また高校生以上は、しなりの大きさが突き技にそぐわないという側面もあります。
破損が少ない代わりに、1本が約2万円と高価であることも特徴です。
画像出典:明倫産業公式HP
|手作り竹刀
有名なブランド竹刀を紹介します。
特に日本でも数少ない”竹刀師”による手作り竹刀は、生産量が少なく大変貴重な一品です。値段は張りますが、大事な場面で使用するのに相応しい逸品ばかりです。
西野作国産真竹竹刀【弘光作】
西野作国産真竹竹刀【弘光作】¥ 19,250
「弘光作」は、埼玉県にある西野竹刀製作所の竹刀の名工である西野竹刀師が、竹から全て手作業で削り出して仕上げた最高の逸品になっています。
お客様のご希望の仕様に合わせて、原材料となる国産真竹を選定し、中でも身の詰まった竹を使用し、しなやかでありながら高い耐久性としっかりとした、打感を有しています。
独特の武骨さは、かんなで削り出すため凹凸ができることにより醸し出されています。
【39・竹のみ】
【選べるタイプ柄タイプ】
丸型 / 小判型よりお選びください。
【選べる重心タイプ】
通常 / 胴張型 / 小判型よりお選びください。
森本作:国産真竹竹刀【和】
森本作:国産真竹竹刀【和】 ¥ 9,167 ~ ¥ 12,223
※竹材料不足のため、現在受付を停止しております。
大変申し訳ございません。
森本竹刀師が、竹の裁断から矯め、乾燥、削りまで全工程を手がけ剣士のために最高の竹刀を作っています。
原材料である竹は高級国産真竹を使用しています。
手削りでありながら、表面も滑らかな仕上がりになっており圧倒的な美しさを誇っています。
全国各地の有名な先生方をはじめ、全日本選手権出場者や警察関係の方々にも愛用者が多い逸品です。
【39のみ・竹のみ販売】
【選べるタイプ柄タイプ】
丸型 / 小判型よりご選択ください。
【選べるタイプ】
通常 / 胴張 / 古刀よりご選択ください。
山口吉昭作:国産真竹竹刀【比叡】
※2018年5月をもちまして、惜しまれながら竹刀製作を終了しております。
滋賀県の竹刀師「山口吉昭」による、手作り真竹竹刀です。
約50年もの間、竹刀だけを作り続けてきた名工の貴重な一品です。
|竹刀選びにあたって
一言に竹刀と言っても、試合用には規定があり、重心や柄の形状、材質やブランドど様々なものがあります。
例えば
「練習用では重い竹刀を使い、試合用では軽い竹刀を使う。」
「試合用も複数のパターンの竹刀を用意しておき、対戦相手の剣風によって使い分ける。」
というように、場面によって使い分けるのも良いでしょう。
また同じ種類の竹刀でも、持ったときの感覚はそれぞれ異なるものです。
自分の感覚やプレイスタイルに合う竹刀を探しましょう。
※参考記事:
【世界最大の竹刀工場を歩く】宏達(信武商事)
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