【都城木刀の灯火を絶やさない】新留木刀製作所

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新留木刀製作所

▼スペシャルインタビュー▼

 

都城木刀の灯火を絶やさない

〜新留木刀製作所 新留義昭〜

(以下 KENDO PARK=KP   新留義昭=新留)

 


都城木刀

都城市は宮崎県南西部、雄大な霧島山系をのぞむ盆地に位置し、南九州の中核都市として発展を続けています。

温暖な気候と豊かな土壌、広大な大地に恵まれた都城地方では古くより樫材を利用した柄木作りが盛んでした。その豊富な樫材を求めて、大正初期に荒牧和三氏が都城地方に来住し、木刀作りを始めました。

都城木刀の伝統は現在に引き継がれ、実用品としての木刀だけではなく、歴史にみられる古流派の木刀のほか、スヌケ・黒檀など高級材の木質を生かした工芸品的な木刀も宮崎県の伝統工芸士によって製作されています。

現在では、全国の大半の生産量を誇り、宮崎県の特産品として海外にも輸出されています。

出典:都城市公式HP観光情報

新留木刀製作所(代表:新留義昭)

新留義昭氏と新留正弘氏の兄弟で経営する、木刀製作所。

兄義昭氏は1999年、弟正弘氏は2014年に宮崎県から「伝統工芸師」の指定を受ける。

完全手作りながら、現在も年間約5000~8000本の木刀を生産する。


 

|木刀づくりの歴史

KP:

都城市で木刀作りが盛んなのはなぜですか?

 

 

新留:

もともと都城市には、樫の木材が豊富にありました。

かつてはそれらの木材を、農具の柄などに使用していた歴史があります。

 

それが終戦後、剣道を含む武道が再開となった際に、一気に木刀の需要が増えたため木刀製作所が各地にできました。

 

はじめは、樫の木材を関東の木工業者に送っていたのですが、次第にコストが合わなくなってくるにつれ、都城市の木材業者が木刀加工まで行うようになりました。

 

 

KP:

新留木刀製作所の歴史を教えてください。

 

 

新留:

先代である父が、戦後の木刀需要を受けて約55年ほど前に木刀製作を開始いたしました。

 

その後、息子である私と弟の正弘も木刀製作を手伝うようになり、先代の父が創業してからは約55年、私たち兄弟が製作を始めてからは約40年になります。

 

木刀は購買サイクルも長く、日常的に需要が生まれにくいものです。

戦後の剣道再開時をピークに、需要はなだらかに減り続けているように感じます。

その証拠に、製作を開始した当時は都城には約20社もの木刀製作所がありましたが、現在では4社だけとなりました。

 

 

KP:

現在まで生き残った業者は、他と何が違ったからでしょうか?

 

 

新留:

木刀は主に剣道や合気道に使用されるのですが、需要が縮小したとはいえ武道を学ぶ人がなくなるわけではないので、それらの需要に対し必死に応えてきた結果だと思います。

 

また流派によって木刀の形状が異なるのですが、それにしっかりと対応できる業者は少なかったように思います。

とにかく生産して売るだけでなく、様々な需要に対して対応してきた事が大きかったかもしれません。

 

都城木刀全体で言うと、現在木刀製作従事者は全部で30名程度でしょうか。

 

新留木刀製作所

兄弟で木刀製作に携わって約40年とのこと。

 

|時代とともに変化する

KP:

現在の販路はどこが多いのでしょうか?

 

 

新留:

やはり、人口の多い剣道業界が最大の販路になっています。

個人向けというよりは武道具店に卸すのがメインとなっていますが、最近は武道具店側も在庫を持たないので、発注量は昔に比べると少ないかもしれません。

 

それでも、今でも年間5000〜8000本ほど出荷しています。

 

 

KP:

新留木刀製作所では、HPも開設していますが個人や海外からの需要はないのですか?

 

 

新留:

HPは10年ほど前に開設いたしました。

それから個人の方からのオーダーも、少しずつ入ってくるようになりました。

 

4〜5年前からは、海外からの問い合わせも多くなってきました。

特にヨーロッパでは合気道などは人気だそうで、現在フランスやフィンランド等にまとまった数を出荷しています。

 

海外の方は本当に勉強熱心なので、剣道や合気道のみならず、各流派に関してもよく知っていらっしゃる方が多いです。

 

 

KP:

製品に関して時代による変化はありますか?

 

 

新留:

木刀の形状に関しては、時代とともに変化してきました。

前提として、全日本剣道連盟による木刀の統一規格は長さの規定のみですので、重さも太さも原則として自由とされています。

 

従前、都城では示現流(じげんりゅう)木刀を元とした、丸みの強い形状が主流でした。

それがある時、関東地方に営業に行った際に、より刀の形状に近い平たい形状のものが主流であることがわかりました。

 

さらに20年ほど前から、統一形状のプラスチック製の鍔が登場し、それに合わせる形で現在の縦に平たい形状の木刀が主流となりました。

現在武道具店において一般に売られている海外製のものも、同様の形状をしています。

 

木刀の種類

流派によって様々な形状の木刀がある。

 

 |木刀製作の工程

特別に木刀製作の工程を見学させていただきましたので、工程のすべてを公開いたします。


 

1)  天日乾燥

歪みや曲がりが出ないように、原材料の木材を天日干しします。

 

加工前の木材

 

2) 線引き

使用する木材から、木刀として使用する部分に線を引きます。

この際、節や傷などが入らないように注意します。

 

都城木刀

オリジナルの型にそって線を引いていく。

 

都城木刀

小さな傷や節も見逃さない。

 

3) 材料小割り

線に沿って木材を切り出し、大まかなアウトラインを決めます。

 

都城木刀

線に沿って木材を切り出す。

 

4) 厚みの決定

木材を削りながら、厚みを決定します。

刀身部分と柄部分によって厚みが異なるので、職人の感覚で機械を調整しながら削り出します。

 

都城木刀

木刀の形状に沿って厚みを決めていく。

 

都城木刀

機械に通して厚みを整える。

 

5) 型の決定

角を削り取りながら、形状を整えていきます。

この工程を経ると、かなり木刀の形状に近くなります。

流派によって、削り出す形状も異なります。

 

都城木刀

角を削り形状を決めていく。

 

都城木刀

この時点で木刀の形状に近くなってくる。

 

6) 柄の決定

柄の形状を大まかに削り出します。

ここも流派によって形状が異なりますので、職人の感覚で行います。

 

都城木刀

柄の形状を削り出す。

 

7) カンナ仕上げ

機械削りによる表面の凹凸を、削り取っていきます。

膨大な種類のカンナがあり、木刀の刀身にあわせて刃が曲がっています。

これらのカンナは、すべて職人の手作りです。

 

海外製との最大の違いは、この工程があるかないかだと言われています。

 

都城木刀

カンナで表面を仕上げる。

 

都城木刀

膨大な種類のカンナはすべて手作り。

 

8) 柄出し

鍔をはめる部分に段差を作り、柄部分を仕上げます。

 

鍔を装着する部分に段差を作る。

 

9) 先端出し

研磨装置を使って、一気に先端を削り出します。

オーダー内容や流派によって異なりますので、職人の感覚で行います。

 

ものの10秒ほどで先端が削り出されます。

 

都城木刀

先端を研磨機で削り出す。

 

10) ヤスリ仕上げ

ヤスリを使って、一気に磨き上げます。

カンナと合わせて使うことで、表面の凹凸がほぼ無くなります。

 

都城木刀

研磨装置で磨き上げる。

 

9) ニス塗装

最後に変色や汚れ防止のため、ニス塗装を行います。

 

都城木刀

ニスを噴霧して表面をコーティングする。

 

1本製作するのに、約1時間ほどで全行程を終えてしまいました。

もちろん複数本同時に製作するので、作業としては極めて迅速に行うとのことです。

 

実際の工程では、義昭さんと正弘さんが交互の連携して行い、1日約20~30本を生産するそうです。

 

 

運営から:

「木刀といえば宮崎県都城市」というのは、剣道家の中でも知らない方も多いと思います。

その中で伝統を受け継ぎ、国産木刀の製作を絶やさないという想いを強く感じました。

 

KENDO PARKでは、新留木刀製作所の木刀をお取り扱いしております。

 

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