みなさんは「柄」の重要性を、きちんと理解しているでしょうか。
普段剣道具店などで竹刀を組むときに、「なんとなく」柄を付けてもらっているだけではありませんか。
柄の特徴をよく理解し、自分に一番合った柄に調整すれば、竹刀の操作性も向上するかもしれません。
ということで今回は竹刀の「柄」について解説していきます。
|ベストな柄とは
剣道をするにあたって自分に一番合った「柄」とはどんなものなのでしょうか。
ここではそんな疑問に応えるために剣道のプレイスタイルに合う「柄」の特徴を解説していきます。
「柄」を選ぶ際に気にするべきポイントは2つ。それはズバリ「太さ」と「長さ」です。
「太さ」は竹刀の竹を選ぶ段階から決まります。
「長さ」については、ある程度は竹刀の節の位置などで決まる部分もありますが、基本的にはその竹刀を組み上げる時に調整してもらいます。
では柄の「太さ」と「長さ」にはそれぞれどんな特徴やメリットがあるのでしょうか。以下にそれぞれの項目に分け説明していきます。
|柄の「太さ」について
通常の柄
一般的な竹刀の柄は直径にして25㎜程です。
これといって他に比べた特徴はなく、オーソドックスなタイプですが、これは逆に言えば癖がないとも言えるので、初心者の方やどんな柄にしようか迷っている人はまずはここからはじめることをおススメします。
柄細
通常の柄よりも握りが若干細くなったものです。
小柄で手の小さい人や、女性などは柄細の竹刀が振りやすいかもしれません。
また手が小さいわけでなくても、柄が細ければしっかりと竹刀を握りこめるため、力強い一撃を実現できるかもしれませんね。
柄太
こちらは逆に通常の柄よりも太めのものです。
手が大きい方などにはこちらの方が握りやすいかもしれませんね。
また、握力のある方ですとあまり細すぎる柄を使用しても力を込めて握ることができません。
そういった場合は太い柄を使うことでその悩みを解決することができます。
参考記事:【竹刀特集|選び方とおすすめ商品】
|柄の「長さ」について
通常の柄
基本的な柄の長さは、一般に「鍔元をもって柄頭が肘に届くくらい」の長さが理想とされています。
人によって腕の長さにも個人差があるのでもちろんこのはかり方をした場合の柄の長さにも差が出ますが、基本的にはこの計測方法に基づいて柄を選ぶのがもっとも無難であると言えます。
この長さをベースに、自分の剣風などに合わせて柄の長さを変えていきましょう。
長い柄
長い柄を使う場合は、近間での打突が非常に有利になってきます。
右手を入れるだけで打突が打てるので、出頭面や小手などの他に、引き面なども打ちやすいと感じるかもしれません。
ただ、柄を長くするほど右手が突っ張るので、あくまで自分の体格に合う範囲で伸ばすようにしましょう。その他にも、上段の選手には柄を伸ばしている人が多いようです。
片手面を打つ際の右手の押しがよく効くようになると言って柄を伸ばす方が多いようです。
短い柄
短い柄を使う場合は手元での取り回しが良く効くので、連続技やフェイント技などを使う方にはこちらの方が使いやすいかもしれません。
しかしその分手首を使うので、手の内は必要不可欠です。
あまり手首の柔らかくない方が使うと、手首への負担が大きくなってしまうかもしれませんので注意してください。
参考記事:【竹刀特集|選び方とおすすめ商品】
|柄の種類ー番外編ー
さて、次は少し変わった柄の種類を種類を解説していきたいと思います。
前項で紹介した内容も踏まえ、ぜひ自分に合った柄を選ぶ参考にしてみてください。
柄の形には基本的な円型以外にも小判型や八角型というものがあります。
どちらも少し高価なものになりますが、特徴を理解し使いこなせれば自分の力を十二分に発揮できるかもしれません。
小判型
木刀と同じような楕円形の握り手が特徴で、下から見たその特徴を小判に見立てて、小判型と言われます。
太さでいえば柄細に分類されますが円型よりも握りやすいうえに刃筋を立てやすいのが利点です。
八角型
その名の通り、八角形の握り手が特徴です。
竹刀の分類として柄太になります。角がしっかり立っている分竹刀をしっかりと握れるので竹刀がまわってしまったり落としたりする心配が少なくなります。
しかし、円型の柄太以上に握力が必要となるため、体格やパワーに自信のある人以外は使用しないほうが良いのかもしれません。
参考記事:【竹刀特集|選び方とおすすめ商品】
|柄の伸ばし方、縮め方
さて、自分に合う柄を使うために知っておきたいこととしてもう1つ「柄の伸ばし方、縮め方」を解説していきましょう。
柄は皮で出来ているので、使っているうちに伸びていきます。
それを想定して組み上げる際には自分の理想とする長さより少し短めに仕上げる人も多いようです。
柄を伸ばしたい場合は竹刀を購入する際に見本となる柄や理想とする長さを提示し、剣道具屋さんに提示するのが良いでしょう。
自分で伸ばそうとする場合は、柄の装着用の機械などを使って地道に引っ張って伸ばすしかありません。
しかし無理に伸ばそうとすると柄の寿命を縮める原因となりますので注意してください。
また、自分の手で伸ばす場合は、滑り止めのついたゴム手袋や軍手を使用するようにしましょう。
逆に柄を短くしたいと思う場合は、伸ばす場合ほど大きく長さを変えることはできません。
水に濡らした後に十分に乾燥させることで縮ませることができます。
竹刀が細くて柄が回ってしまう場合などにこの方法を試してみてください。
剣道をやっていて必ず経験するのが「竹刀を分解したいのに柄が抜けない」ということです。
これは悩まされた人も多い経験だと思いますが、そんな時に簡単に柄を外すことができるコツを紹介いたします。
竹刀の柄が抜けなくなってしまう原因は柄が縮んでしまうことです。
前述したように、柄が濡れた後に乾燥すると縮むわけですが、稽古や試合などの際に柄に染み込んだ汗が乾燥し、柄が縮んでぴっちりハマって抜けなくなってしまうのです。
しかし、原因がわかれば解決策も思いつくというものです。
柄が縮んでしまうのなら、一度緩めるためにぬるま湯に2~3分漬けて、しっかり水気を拭きとった後にゴム手袋や軍手などで抜いていきます。
基本的には左手の方が汗をかき強く竹刀に張り付いているものなので、まずは鍔元の方から下にひいていき、だんだんと下へ下へしわを寄せていくつもりで抜いていきましょう。
竹刀からどうしても抜けない、あるいは劣化が激しい場合は、カッターナイフなどで柄の真ん中の縫い目を切ってください。
無理な連続使用は、思わぬけがに繋がる恐れがあります。
|自分に合った、自分だけの竹刀を
いかがでしたでしょうか。
今回は「柄」についてその選び方から扱い方を解説させていただきました。
自分の剣風に合わせて柄の長さや太さを調整してみると、自分にとってプラスになることは間違いありません。
竹刀選びと合わせて、ぜひ自分に合う、自分だけの竹刀を組み上げてみてください。
また、竹刀の竹同様、柄も劣化が激しい消耗品です。
日ごろのチェックは決して怠らないようにしてください。
また、たくさん使うことで柄の表面もだんだん滑りやすくなっていきますので、適度な交換は必須と言えるでしょう。