日本の好敵手!【韓国の剣道について】

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韓国剣道

2018年に韓国の仁川市で開催された、第17回世界剣道選手権大会をご覧になった方は多いのではないでしょうか。
日本チームの獅子奮迅の活躍に、興奮を覚えた方も多いはずです。
そんな日本チームと決勝を争ったのは、長年日本の最大のライバルと目される「韓国」です。
世界大会では毎回日本を苦しめる好敵手ですが、「剣道の起源主張問題」や試合中のマナーなど、試合外でも何かと話題になることが多い国でもあります。
今回は、そんな韓国の剣道事情について紹介していきます。

|韓国における剣道事情

韓国ではどのように剣道が広まり、練り上げられているのでしょうか。
使用言語が異なることもあり、なかなかその実情を目にすることは少ないのではないでしょうか。

本記事を通して、韓国の剣道について理解を深めていく糸口にして見てはいかがでしょうか。

日本と韓国の剣道環境の違い

日本では、地域ごとに存在する道場や学校の部活動を中心に剣道が盛んに広められています。
一方韓国は勉強大国として名高く、学校に部活動という文化はあまり根付いていません。

そんな韓国では、個人によって開かれる剣道道場を中心として剣道が普及されているようです。

また全日本剣道連盟配下の国際剣道連盟において、昇段審査も実施されています。
頻度も日本ほどではないにしても、定期的に開催されているようです。

韓国の剣道は基本もさることながら、パワーを活かした面技を重視しており、世界大会で韓国選手が見せる力強い面打ちなども、こうした稽古の賜物ではないかと思われます。

また、韓国では成人した男性に徴兵の義務が課せられており、体力面において充実した選手が多いことも、韓国の力の秘訣であると言えるでしょう。

韓国,剣道
パワーと体躯を活かした技が特徴。
画像出典:全日本剣道連盟

韓国剣道の強み

次は、韓国剣道の強みと特徴を紹介していきたいと思います。

世界大会をご覧になった方なら、世界剣道選手権大会の決勝で、日本と熱い戦いを繰り広げる韓国代表選手の姿に興味を持った方が多いことかと思われます。

そんな韓国選手の剣道の強みとは何でしょうか。
韓国選手の剣道の強みと言えば、大きな体格から繰り出されるパワフルかつスピーディーな技の数々でしょう。

徴兵期間もあいまって練り上げられた肉体と、天性の体躯を駆使しながら打ち込む技の数々は、世界剣道選手権大会最多優勝国である日本を相手にしてもまったく引けを取りません。

また、韓国選手は研究心も強く、韓国の運動を重視する国柄もあり剣道に対してスポーツ科学的な側面からのアプローチも行っています。
全日本剣道選手権大会などの際には、日本へ足を運び日本代表となる選手たちを観察するなど、対戦相手の研究にも余念がありません。

こうした韓国側の努力によって、世界剣道選手権大会が開催されるたびに日本と韓国の実力的な差は縮まっていき、現在ではどちらが優勝してもおかしくないライバルとして世界的に認められるに至りました。

その結果として、2006年にチャイニーズタイペイで開催された第13回世界剣道選手権大会では参加した39か国の頂点に立つに至りました。
その後は優勝こそ逃しているものの、2012年開催の第15回世界剣道選手権大会以降、すべての大会で決勝へ勝ち進み日本と優勝の座を争っています。

参考記事:第17回 世界剣道選手権(’18)結果・メンバー一覧

第17回 世界剣道選手権大会男子団体決勝
画像出典:全日本剣道連盟

|剣道とコムド

第17回世界剣道選手権大会において、「大韓剣道会」会長のイ・ジョン二ム氏が「剣道の起源は韓国発祥のコムドである」という旨の発言をし、物議をかもしています。
その「コムド」について解説をしていきます。

「コムド」とは韓国で行われているスポーツで、現代剣道の起源は剣道であるとする説が有力です。

日本は明治期に、日露戦争を経て韓国併合を進めていったという歴史があり、日本の竹刀や道着・袴を着用した剣道の風習はこのころに韓国に伝えられたと考えられています。

この「コムド」については、韓国内に多くの競技団体が存在します。
しかし団体間の交流は少なく、1部排他的な団体も存在しているなど、組織統一がなされていない現状があるようです。

こうした「コムド」の団体には、剣道が韓国伝統の競技であるコムド由来のものであり、それが日本に伝来し今の剣道のもとになったと主張する団体も存在します。

全日本剣道連盟はこうした主張に対して、「改めてわれわれの見解や方針について広く知って頂く必要があると考えました。」として公式サイトで声明を発表しています。

この中では、以下のことが述べられています。
・発祥地を特定の国にはめ込むのは難しい
・日本発祥の剣道を、現代の「剣道」として指すこととする


スポーツにおけるルーツ規定の難しさと、現代剣道の定義を丁寧に述べているのが特徴です。

「剣道の起源」についての考え
鉄の発見とともに鉄製の剣が作られるようになり、それと共に鉄製の剣を使っての戦いが始まりました。剣の形態やその操法も、幾多の戦いの中で時の流れと共に、変化していきました。そもそも、各地域にある文化とは、人類の移動、交流とともにお互いに影響しあい、発展をとげていったものです。そして次第に人種、国境を超えた世界人類の文化となっていくものです。
そのような過程を考えると、ある時代の中ででき上がった一つの文化を取り上げて、その起源を論じ、その発祥の地を特定の国だけにはめこむことは、所詮無理なことであり、余り意味のあることではないと考えています。これは剣道についても同様です。
剣を扱う技術は世界の各地で生まれ、確立されてきました。しかし、その中で、われわれが行っている剣道とは、「剣道の歴史」にも記されているような、日本で育った歴史的背景をもった剣道を指しています。

出典:全日本剣道連盟

また勘違いしてはいけないのは、一部の人々やインターネット上の意見は総意ではないということです。

本件では、公の場で大会開催国である韓国の代表者のの言動ということで、騒ぎが一層大きなものになってしまったわけですが、実際インターネット上ではこの発言に難色を示す韓国の方も多く存在することもまた事実です。

剣の道を志すことにおいては、国籍は関係ありません。
自己の価値観を磨いて、剣道に真摯に向き合うことが大切なのではないでしょうか。

韓国剣道
剣道を志すにあたって、国籍は関係ない。

|韓国剣道の賛否

最後に、韓国代表選手をはじめとした韓国剣道への評価についてご紹介していきます。

世界剣道選手権大会で韓国選手の姿が世界に発信されると、様々な意見が寄せられます。
韓国代表選手の実力は非常に高く、決勝戦で日本がいつも苦しめられるほどの技量を評価する声はとても多いです。

しかしその一方で、試合中に韓国側のサポーターからのブーイングやヤジが多いことに対する不評や、選手の試合態度を問題視する意見も多いようです。
特に観客席からのヤジは年々激しいものとなり、試合進行の妨げにもなりかねない現状です。

日本においては、剣道は「人間形成の道」と明記されていますが、韓国においては「勝利至上主義」がより強い価値観をなっていることが原因なのかもしれません。

剣道の理念
剣道は剣の理法の修錬による
人間形成の道である
剣道修錬の心構え
剣道を正しく真剣に学び
心身を錬磨して旺盛なる気力を養い
剣道の特性を通じて礼節をとうとび
信義を重んじ誠を尽して
常に自己の修養に努め
以って国家社会を愛して
広く人類の平和繁栄に
寄与せんとするものである
昭和50年3月20日制定 全日本剣道連盟

出典:全日本剣道連盟

|世界的に広まっていくということ

ここまで「韓国の剣道事情」について、ご紹介致しました。

同じ剣道の修練に励む両国とはいえ、価値観の違いは数多くあるのも事実です。
一方情報共有が容易となった現代では、時間をかけて相互理解が深まることも期待できます。
また、一部の過激な言動ばかりを汲み取ってしまうと、相手の本当の姿を見誤ってしまうことに繋がりかねません。

韓国代表選手がここまでの実力を手に入れることができたのは、剣道に対して真摯に向き合い続けた結果に他なりません。
同じ剣の道を歩むものとして、お互いのことを理解しようとする姿勢は忘れないようにしましょう。

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