剣道を始めるにあたって、一番基本的で大切なこと、それは剣道着、袴を正しく身に着けることです。
着装が悪いとそれだけでみすぼらしく、弱そうに見えてしまいます。
逆に言えば、着装を美しくすれば、見栄えよく、強そうに見えるというわけです。というわけで今回は、剣道着と袴の着方をお教えします。
|剣道着、袴の着方
最も基本的なこれらの着装を説明していきます。
着装の前に
道着、袴を着る前に以下の項目をチェックしましょう
・糸がほつれていたり、破れていたりしていないか
・道衣(道着)は袖が肘より下にくるものか
・袴はくるぶしが隠れる程度の長さか
後述にもありますが、着装を正しくするのは動きやすさだけでなく、礼儀の意味でも大切になってきます。
|道衣(道着)の着方
1.剣道着は左右二か所、内側と外側に紐があります。
まず袖を通したら、内側についている左右それぞれの紐を蝶結びします。
こうすることによって、剣道着の右側が下に、左側が上になります。
慣れてくるまでは、必ずこのルールを覚えておくようにしましょう。
2.次に外側の左右の紐を蝶結びします。
このときに必ず道着の襟がきちんと重なるように調整してください。
これをやっておくことで、綺麗な着装になります。
これで道着の着方は 終わりになります。
蝶結びが縦結びにならないこと、最後の襟の調整ができれば簡単に美しく着ることができます。
道衣(道着)の着装のポイントまとめ
・蝶々結びは綺麗にする
・道着の重なりを意識して、襟をそろえる
|袴の着方
袴のはき方は、道衣(道着)と比べると難しいです。
なので人によっては何年も続けていても間違った着装をしていることもあります。
ここで見たはき方を参考に、正しい着装を心掛けるようにしましょう。
1.まず袴をはきます。
ズボンのように別れているので、どちらか一方に両足を入れないようにしましょう。
正しく足を通したら前紐を腰あたりに合わせ、後ろに回します。
2.後ろに回した紐を前にもってきて、紐を交差させたら、もう一度後ろに回し、後ろでしっかりと蝶々結びをします。
後ろで結ぶのは、初めの方は手こずると思うので、結び目をほかの人にチェックをしてもらうとよいでしょう。
3.袴の後ろ部分の腰板についているヘラを、先ほど蝶々結びした紐の部分に差し込みます。
このとき蝶々結びが縦結びになっていると、腰板からはみ出してだらしなくなってしまうので気を付けましょう。
4.腰板をしっかりつけたら、腰板から出た後紐を前に回し、交差させ上の紐を下の紐に通し固結びをします。
余った紐は、目立たないよう折って後ろに入れましょう。
以上が剣道着、袴の着方になります。初めはなかなか難しいかもしれませんが、何回もやるうちに自然と正しくできるようになります。
袴の履き方ポイントまとめ
・しっかり分かれ目に沿って履く
・後ろで蝶々結びするときは、きちんとできてるか確認する
・腰板のヘラを、きちんと差し込む
・最後に背中や胸のシワをのばす。
※背中が膨らんでいると、見栄えが良くありません。
オススメ道衣・袴
|着装について
先ほど道衣(道着)の着方、袴の履き方についてお教えしましたが、一言に着装といっても、それはシチュエーション、または男女によっても異なります。
一般的に試合や段審査には綿の道着袴を着るのが一般的ですが、最近は素材にナイロンやテトロンが使われた袴や、ジャージ素材の道着も出てきているので、着装にもバリエーションが増えています。
近年では、稽古の際に下にインナーを着るなどして、より快適に稽古をしている人もいます。
下着を身につけるか否か
よく言われるのが、剣道をやっている男性は「ノーパン」なのかということです。
袴の下にパンツなどを履いていると、汗で非常に濡れてしまうので大変不快ですし、蒸れてしまうため不潔でもあります。
実際に袴の下に何も履かずに剣道をすると、最初は違和感がありますが、慣れてしまえば、その快適さから「もう下着をはいて稽古はできない」というのが大方の意見のようです。
そもそも下着を袴の下に着る習慣は西洋文化が浸透してからだそうです。なのでノーパンで剣道をするのは、本来の剣道の姿であると言えるかもしれませんね。
一方で女性は、下着を付けたまま剣道する方が多いようです。
やはり下着なしで剣道をするというのは、男性よりも女性の方が抵抗が強いようです。
下着を付けるときの注意点として、編み物のものは竹刀が引っかかることがあるので大変危険です。
気をつけるようにしましょう。
|着装の持つ重要性
剣道をやっていれば、技についての指導と同じくらい、必ず正しい着装を心がけるよう指導を受けます。
これは他のスポーツとは異なる、武道としての剣道の理念が関係しているからです。
それはずばり、「礼節」という考え方でとらえることができます。
剣道は絶対に一人ではできません。
教えてくれる先生、稽古、試合をしてくれる相手がいて初めて成り立つものです。
そういった人々に対し、印象を悪くしないために、着装をきちんとしなければならないのです。
冠婚葬祭に合わせてスーツを着るのと同じようなものといえます。
ただ動きやすさのために着装をよくするのではなく、礼儀の意味も含んでいるということを心掛けておきましょう。
また、昇段審査ではそういった点も踏まえて審査されているので、日ごろから着装は正しくできていることが大切です。
|剣道着、袴の着方のまとめ
この記事を読んで、着装の仕方を理解したとしても、なかなかすぐにはうまくいかないと思います。
先述の通り、反復することで綺麗に着ることができるようになります。
正しい着装は、動きやすさや怪我の防止、そして礼節を重んじる剣道の理念につながります。
色々な剣道着や袴が世の中に出てきている今、着方も同様に変化しています。
そのような中でも、このことを忘れずに稽古に励むように心がけましょう。