剣道の袴を購入する際、皆さんは何を重視しますか。
値段、素材、装飾など、重視するポイントは人それぞれだと思います。
今回はそんな奥の深い袴選びのポイントをご紹介していきます。
|袴の種類と用途
まずは、袴の種類に注目してみましょう。
剣道で用いられる袴には、大きく分けてテトロン袴と綿袴と2種類があります。
この2種類の袴の用途はどのように違うのか詳しくご説明します。
テトロン袴
まずはテトロン袴についてです。
テトロンとはポリエステルとレーヨンの化学繊維の総称のことです。
つまり、テトロン袴は、ポリエステル生地でできています。
テトロン袴の特徴としては、安価で(一着4000円~6000円程度)、生地が薄い、軽い、乾きやすい、などの特徴があります。
また、テトロン袴は化学染料によって染めているため、色落ちが少ないです。
さらにプリーツ加工がされているものも多いため、ヒダが取れにくい、しわになりにくい、などの点から扱いやすさで選ぶなら断然テトロン袴です。
このように非常に実用的な為、普段の練習で用いられることが多いです。
また、剣道を始めたばかりの初心者が一番初めに買う際は、テトロン袴をお勧めします。
綿袴
次は綿袴についてです。
綿袴は綿100%でできた袴です。
綿袴は、テトロン袴に比べて値段は高い(一着8000円~20000円)です。
しかし、その分高級感があり試合や昇段審査で使うのに適しています。
また、袴の後ろに刺繍を入れて、記念品として贈られることも多いです。
テトロン袴が化学染料で染められているのに対し、綿袴は藍という植物を染料にして染められています。
この藍染めには、消臭効果、最近の増殖を抑制する効果、虫よけ効果など優れた効果がたくさんあります。
何度も洗濯機にかけるなどの誤った取り扱い方をすればテトロン袴に比べて色落ちもありますが、色の重厚感は藍染めにしか出せない特別なものです。
また、洗剤を使って洗わない、使用後は必ず畳むといった正しい取り扱い方をすれば長く使用できる袴でもあります。
|袴の番号
綿袴には、5000番や8000番などの番号が付けられています。
それにはどのような意味があるのでしょうか。
袴生地の番号は、1インチ角(約2.54cm角)への木綿糸の打ち込み数を指します。
5000番と8000番では8000番の方が生地の目が詰まっており、これは数字が大きくなっていくほど細かく生地の目が詰まっていきます。
数字が大きくなると一般に重くはなりますが、ヒダが消えにくく、長く使える耐久性の高い生地になります。
逆に数字が小さいと軽くて柔らかくはなりますが、耐久性が低くなり、折り目が無くなりやすくなります。
しかし、番号が大きければ必ず重くなるのかといいますと、必ずしもそういうわけではなく、糸の種類や染め方で変わってきます。
10000番のような数字が大きい袴でも、質の高い生地が使われていれば、8000番の生地よりも軽くなるということも実際にあります。
また、数字が小さい袴でも自分で稽古後に毎回しっかり畳むなどの手入れをしていれば、そう簡単にヒダが取れてしまうなどのことはありません。
試合などの実践で使うのか、段審査や贈り物などで使うのかによって、うまく番号を選び分けましょう。
|袴の購入に際して
次は袴の購入に際してその手順と注意すべきことを見ていきましょう。
せっかく高いお金を払って買ったのに、自分の思っていたものと違ったなんてことになったら悲しいですよね。
実際に購入する際どのようなポイントに注意すればいいのでしょうか。
また、最近では剣道のオンラインショップが続々と進出し、袴もクリック1つで簡単に買える時代になりました。
そんなオンラインでの袴の購入の留意点も説明します。
サイズ選択
まず、サイズ表をよく見て希望のサイズを選択しましょう。
袴の長さは袴帯(前帯)の下からの長さを「鯨尺」(布の長さを測る昔の単位で、1寸が約3.79cm。尺貫法の1寸3.03cmの1.25倍)で表示してあります。
テトロン袴と綿袴の号数と相当身長はわずかに異なります
テトロン袴のサイズには、16~28が存在します。
号数 | 相当身長 |
16 | 約100㎝ |
17 | 約110㎝ |
18 | 約120㎝ |
19 | 約130㎝ |
20 | 約140㎝ |
21 | 約145㎝ |
22 | 約155㎝ |
23 | 約160㎝ |
24 | 約165㎝ |
25 | 約170㎝ |
26 | 約175㎝ |
27 | 約180㎝ |
28 | 約195㎝ |
綿袴は以下のようになっています。
号数 | 相当身長 |
---|---|
22 | 150cm |
23 | 155cm |
24 | 160cm |
25 | 165cm |
26 | 170cm |
27 | 175cm |
28 | 180cm |
29 | 185cm |
※表はあくまで目安です。
購入する際はくるぶしが隠れる程度の長さのものを選びます。
短すぎると見た目が悪く、長すぎると裾を踏んでしまいます。
また、テトロン袴は洗濯しても縮むことはありませんが、綿袴は1センチほど縮んでしまう場合があるので注意が必要です。
女性や子供は腰高に掃く場合が多いので、1つ上のサイズでもいいかもしれません。
従って、袴の紐下尺と比べるなら、女性や小さい子供はウエストの位置からくるぶしまでの長さ、男性なら腰骨からくるぶしまでの長さを計測して測るといいです。
武道具店の店員さんと相談しながら、しっかりと自分の体に合ったサイズの袴を選びましょう。
また、オンラインで袴を購入する際、一番注意しなければならないのはこのサイズです。
自分の袴のサイズがきちんと分かっている人ならば大丈夫ですが、サイズを把握していない人や成長過程で以前と身長が依然と変わってしまっている人は、1度武道具店に足を運び、そこで袴のサイズを確認することをお勧めします。
袴の刺繍について
サイズを選択した後は、袴に刺繍する文字について考えていきましょう。
ここで考慮すべき点は刺繍する文字の書体・色・文字サイズ・位置の選択です。
書体は主に楷書・行書の2種類から選択できます。
また、中には学校で統一した特殊な書体の刺繍を袴に入れる学校もあります。
色はゴールド、シルバー、紫、緑、茶など多種多様な色があり、自分の好みにあった色を見つけることができます。
刺繍の文字数と文字サイズを選択します。
文字数をどれだけ多くするか、文字サイズをどれだけ大きくするかによって値段が変わってきます。
次に刺繍する位置についてです。
袴の刺繍は一般的に、背面右側に刺繍することが多いですが腰板の部分に四字熟語や学校名を刺繍することも少なくありません。
贈り物にする場合など、用途や好みによって使い分けしましょう。
購入
武道具店で直接購入する際、注文してその場で刺繍を入れ、その場で受け取る場合と、刺繍に時間がかかるときは後日受け取りに来る場合があります。
また、オンラインでの購入の場合は、他のオンラインマーケットでの買い物と同様、最後はしっかりと買い物かごに入っている個数を確認し、注文を確定させます。
返品・交換
武道具店で直接購入する場合は自分の背丈にあった袴を購入するため、返品する事態は起こりえません。
しかし、オンラインでの買い物はサイズが合わないことが稀にあるので、送料無料で交換してくれるお店は多くあります。
しかし、刺繍を入れた袴は商品の性質上返品・交換ができないので注意が必要です。
また、商品の品種交換や、間違い注文等のこちらの都合による返品・交換は受け付けていないので注意が必要です。
|「袴」購入のポイントのまとめ
袴購入のポイントまとめはいかがでしたでしょうか。
袴は道着と比べて選ぶ際に様々な要素があり、今まで購入する際に苦労していた方がいたかもしれません。
今後袴を買う際にこの記事がお役に立てば光栄です。