この記事では、剣道における様々な稽古メニューや1人で行う稽古、剣道の練習試合などについてご紹介していきます。
剣道初心者の方は、剣道の練習がどのようにして行われているか、またその内容がイメージしにくいものです。
剣道の練習はキツそうというイメージはありますが、どのメニューがキツいのかなども分かりにくいとも思われます。
今回は、普段の練習メニューを中心に、少しでも剣道の練習のイメージを掴んで頂けるよう説明していきます。
|稽古で心がけなければならないこと
何事にも「心構え」は重要なものです。
稽古を行う際には、以下のポイントを忘れないようにしましょう。
(1)竹刀の点検、準備運動、整理運動をはじめとした安全面に留意する。
(2)大きな目標や研究心をもって取り組む。
(3)礼儀作法を重んじる。
(4)立会いの「初太刀」を大事にして、一本一本をおろそかにしないように、常に旺盛
な気力で、精魂を込めて稽古をする。
(5)基本に忠実に稽古をする。
(6)しかけ技を積極的に使って稽古をする。
(7)稽古後は反省し、工夫・研究を怠らない。
|面をつけない基礎稽古
剣道の練習は、面をつけずに行う基礎練習と、面をつけて行う実践練習に分かれます。
まずは面をつけずに行う、主に「素振り」と「足捌き」の練習についてご説明いたします。
素振り
剣道は素振りが最も基本となる練習です。
初心者から一流選手まで、欠かさず行われるのが素振りです。
そんな素振りの意識するポイントから、メニューまで紹介していきます。
意識するポイント
まず通常の素振りで意識するポイントを大きく分けて6つ紹介してきます。
①肩甲骨を意識して大きく振りかぶること
②足を大きく使うこと
③振り上げよりも振り下ろしを早くすること
④打つ瞬間にだけ力を入れること
⑤顎の高さまで振り切ること
⑥左足の引きつけを速くすること
① 早く振ろうとするとどうしても小さく振りかぶりがちですが、肩甲骨まで意識して大きく振りかぶることにより、竹刀操作をスムーズにすることができます。
② これも①と同様で早く動こうとすると小さくなりがちですが、大きく脚を使うことにより、体重移動の感覚を養うことができ、実践のとき打突に連結させることができます。
またその時に注意したいことがなるべく、「目線をぶらさない」ことです。
目線をぶらしてしまうと、打突の時に相手に打つことがバレてしまうので、目線が上下せずに、体が並行移動することを意識しましょう。
③ 振り下ろしの速さが打突の強さにも繋がるので、一本になる打突力を身に着けるためにも意識したほうがいいポイントです。
④ 打つ瞬間にだけ力を入れることで、竹刀の冴が生まれ実際に打突した際に、いい音が鳴り一本になりやすくなります。
これは構えた時から、肩や腕に力が入ってしまうと竹刀の冴は生まれないので脱力からの瞬間の力を意識して行うと良いでしょう。
⑤ これは、自分と同じ身長の人が前にいることを想定し、その相手の顎の高さまで剣先を振り切ります。
こうすることで、実際に打突した際に打突が軽くなってしまうことを防ぐことができ、打ち切った強い打突を打つことができるようになります。
⑥ 左足の引きつけを速くすることで、打突に冴えが生まれます。また二の太刀、三の太刀の技を出す上でも、左足の引きつけは重要になってくるでしょう。
剣道の素振りをウォーミングアップとして軽視しがちですが、このように様々な意識するポイントがあり実践につながる重要な練習であることがわかります。
素振りのメニュー
次に素振りのメニューについて紹介していきます。
まず、足を前後にさばきながら二挙動で行う「正面素振り」と、足を前後に捌きかつ一挙動で行う「早素振り」が主なメニューとしてあります。
「早素振り」は「正面素振り」に比べ、より速く竹刀を振り、かつ一挙動で行われるので筋肉を使い、心肺機能の向上も図れます。
また、上記の素振り以外にも、竹刀を振り下ろす際に左右に切り返して行う「左右面素振り」や、正面素振りよりも竹刀を振り下ろす時に剣先を自分のつま先と同じ低さまで振り下ろす「上下素振り」などがあります。
「左右面素振り」は、面をつけた際の「切り返し」の練習に直結する基礎練習であると共に、左右に手首を返すため、手首の強化にもつながります。
最終的には、相手が避けたところ隙をぬうような打突につながりどんな避け方をしても打てる手首を身につけることができます。
また「上下素振り」は、他の素振りに比べて竹刀の可動域が広いため、より多くの筋肉を使い、肩甲骨の強化や手首の強化などが望めます。
素振りで特にキツいと言われているのは「早素振り」で、上半身だけでなく下半身も使うため素振りの中でも特に息切れが激しいメニューです。
しかし、そんな「早素振り」を続けると、竹刀を振るスピードが上がり、試合で有利になります。
キツい練習の反面、上達が見込めるメニューであると言えます。
足捌き
素振りが主に上半身の竹刀を振る動作に特化して鍛えるものであるのに対し、足捌きは下半身の強化に必要不可欠なメニューです。
足捌きが、出来ていなくては良い打突をすることはできません。
強い選手は足捌きが特に上手く、相手との間合いや相手のとの駆け引きをするうえで重要な要素となってきます。
そんな足捌きにおいて意識するポイントを紹介していきます。
意識するポイント
①左足が右足を超さない
②かかとを常に程よく浮かせる
③目線をブラさない
④床を押す
① 左足が右足を超さないことは、足捌きにおいて基本中の基本です。
左足が右足を超えるしまうと、連続打ちをする際にスムーズに打突することができなくなってしまいます。
また打った後に体勢が崩れてしまうので、そこで相手に体当たりや崩しをされてしまうと対応できず、相手に隙を与えてしまうので基本中の基本ではありますが重要なポイントです。
② かかとを常に程よく浮かせることで、常に打突動作までがスムーズになります。
実際に試してみるとわかりますが、かかとをついた状態から動くより、かかとを程よく浮かすほうがスムーズに動作に移ることができるので、一度試してみてください。
右足は「紙が一枚入るくらい」に上げて、左足はふくらはぎが少し張るくらいの程よい高さにあげます。
③ 目線をブラさないことを意識することで、相手から動きが読めないようになります。
どうしても早い動きをしようとすると、目線が上下してしまいますが、それでは相手に来ることがバレてしまうので、普段から目線をブラさない足捌きを意識することが重要です。
④ 床を押すというのは、体重移動がスムーズに飛距離も伸ばすことができます。
「床を蹴る」という感覚でやってしまうと、どうしてもハネ足になってしまったり、戻り足になってしまいがちです。
なので床を押すという感覚で、床にしっかりと力を伝えることができれば相手にバレづらい打突を身につけることができます。
すり足の動きを一歩一歩確認しながら前進した後、太鼓の合図に合わせて前後左右に素早く動きます。
方向を切り返す時に重心を大きくぶらさないことが求められます。
太鼓の合図に合わせて踏み込みをすることもあります。
いつでも打てる体勢になっているかの確認をするという目的があります。
|面をつける稽古
面をつける練習メニューには、切り返し、追い込み、技の練習、かかり稽古、地稽古の5種類が主なメニューとしてあります。
切り返し
切り返しは、相手の面の左右を手首を返しながら打つ稽古です。
切り返しにも、面を打たせる切り返しと、竹刀で受ける切り返しがあります。
面を打つ切り返しでは、手首を返して相手の面の左右を打てているかどうかを確認しながら行います。
竹刀で受ける切り返しは、リズムよく、相手の竹刀を手首を返しながら打ち込んでいきます。
切り返しは「強・大・速」が大事だと言われ、強く大きく速く打つことが求められている練習です。
追い込み
追い込みは、相手が下がるのを追いかけながら打ち込む稽古で、剣道家がキツいと感じる稽古の一つです。
追い込みは、足をターゲットとした稽古なので、全速力で前に足捌きをし下がる相手を打ち込んでいきます。
足をたくさん使って練習をするため、心肺機能が鍛えられます。
技の練習
技の練習は、最も基本的な練習メニューで、面打ちや小手打ちなどを行う稽古です。
通常、3〜4本ずつお互いに打って交代します。
剣道の練習で最も多くの時間を割くのがこの技の練習で、同時に最も大事なメニューです。
この練習が、全ての基礎となる練習なので、剣道家は大切にしているメニューです。
かかり稽古は、元に立つ相手がいなしたりよけたりしてくるのに対して空いているところに技をどんどん出していく稽古で、この稽古も剣道家がキツいと感じるメニューの一つです。
技を出した後、休むことなく技を出すため、人息つく暇がありません。
またこのメニューでは、主に監督や先生に向かって技を出していくことが多いので、非常にキツいメニューです。
この練習をすることにより、実践的な試合などで、技を出す勇気が身につきます。
地稽古は、最も実践的な練習メニューで、試合と同じような形式で行う練習です。
しかし試合のように打たれれば負けといったことはなく、打たれるリスクを回避せずに自分の技を思い切って出すのが特徴的なメニューです。
これもまた、監督や先生、先輩などの上の立場の人にかかていくため、非常にレベルアップが見込まれます。技の練習同様、多くの時間を割いて練習するメニューです。
|一人でする練習メニューと練習試合について
面をつけると基本的には相手がいないと成り立ちません。
一人で行う練習メニューは、相手がいないときでも行える分、自主練習に向いていると言えます。
また、練習試合についても紹介します。
練習試合は公式の試合と形式が違うことが多いので、初心者の方はよくわからないと思います。
場合によって異なることもありますが、ここでは一般的な形式を紹介します。
一人で行う稽古メニュー
一人でするメニューは主に素振りです。
自主練習の際には素振りをメインに行います。
素振りは剣道の基礎なので、繰り返し素振りを行うことが剣道の上達には欠かせないことです。
また、一人でするメニューは、鏡の前で自分の構えを確認する作業があります。
構えの確認も剣道の基礎を作る上で非常に大事な作業になってきますので、一人で練習する際が鏡の前で自分の一挙手一投足を確認することは、剣道の技術向上に大きく影響することでしょう。
他にも足捌きを強化するために、道場の端から端まで足捌きをしたり、自分の剣道の動画などを見返したりすることも一人で行える作業です。
剣道は、精神力が非常に大事な競技であるため、一人でじっくり自分の剣道について考えることもまた、欠かすことのできない練習メニューと言えるのです。
練習試合
練習試合の形式は基本的には試合とほぼ同じです。
しかし、時間を短縮するために、普段であれば場外に出たり、審判が「やめ」をかけた時にはストップウォッチを止めますが、練習試合では止めずに行うこともあります。
このやり方を、一般に「流し」と呼びます。
また、試合時間そのものを短く設定する練習試合もあります。
また、団体戦の場合も、出場選手の人数を公式戦より少なくしたり、多くしたりすることもあります。
練習試合は試合に直結する大事なものです。
中学生や高校生は毎週のようにこの練習試合を繰り返して実戦感覚を養います。
また、社会人になり、仕事をし出すと、なかなか練習試合の機会が取れなくなるため、練習試合のありがたみを感じるようになるのではないでしょうか。
|剣道の様々な練習について
剣道の様々な練習を見てきましたが、面をつけずにするメニューや、面をつけてするメニュー、さらには一人で行うメニューなど様々な練習メニューがあります。
剣道の練習は、これらの全てを連動させて行われています。
これら一つ一つのメニューが非常に大事で、剣道家はどれも欠かさずに日々練習を重ねているのです。