実戦向け!【剣道の応じ技・返し技一覧】

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応じ技は、相手の打突の力を利用して打ち込む技であり、ボクシングで言うところの「カウンター」のような技です。
応じ技で一本を取るためには、相手の動きを読む力と高い打突技術が必要になります。
今回は、そんな応じ技について詳しく解説していきます。

※記事内に「応じ技向け竹刀」のご案内がございます。

KENDO PARK

|面に対する応じ技

面に対しての応じ技は、抜き胴や返し胴、すりあげ技など、様々なものがあります。
相手の力を利用して打ち込むため、見栄えが良く一本になりやすいのです。
今回は面に対しての胴打ちと、面に対して面を打ち込む技を中心に説明していきます。

鹿屋体育大学
画像出典:鹿屋体育大学剣道部

面返し胴

面に対しての応じ技として、基本となるのはこの胴打ちでしょう。
その中でも、「返し胴」は極めて重要な技になります。
返し胴は、相手が面を打ってきたところを竹刀で避け、相手の空いている胴を打つという技です。

ここで重要となるのは、相手が面を打ってきたところを返して胴を打つのではなく、相手が面に来るように誘い、その誘いに相手が乗ってきたところを狙うということです。
もちろん、自分より実力が劣る人には前者の打ち方も有効かもしれません。
しかし、実力が拮抗、または相手の方が実力が上の場合は逆にそこを打たれてしまう恐れがあります。

そして、相手が面を打ってきた瞬間、竹刀で面を避け胴を打ち込むのですが、そのときに膝を曲げて、腰の回転を利用しながら打つことが重要です。
そのようにすることで、面を受けてから早く打ち込むことができ、腰の回転で胴を打ち抜くことができます。

腰の回転で胴に切る。
画像出典:LET´S KENDO

面すりあげ面

すりあげ技は、相手の打突の力(=振り下ろす力)を利用する技です。
相手が面に打ってくるところを、自分の竹刀の鎬(しのぎ=刀のサイド)を使って擦り上げるように軌道を変え、そのまま面を打ち込みます。

一般に、面に対しては「表鎬」(=自分から見て、自身の竹刀の左サイド)を使ってすりあげますが、相手が裏から打ってきた場合や相手との位置関係によっては、ごく稀に「裏鎬」を使って擦り上げることもあります。

相手は竹刀を振り下ろしてくる動作を行なっていますので、すり上げて軌道を変えることで、竹刀は止まらずにそのまま斜めに下に落ちていくことになります。
それにより面が空いたところを、面に打ち込みます。

この時素早く面を打ち込むために、すり上げた竹刀をそのまま下ろすようにして面を打つと良いでしょう。
こうすることで、相手の竹刀が戻ってくる前に、確実に面を打ち込むことができます。

あわせて大切なポイントは、足さばきです。
相手の打突に合わせて、表鎬なら左斜め前、裏鎬なら左斜め前に動いて相手の進路から一歩動きます。
相手の勢いによっては、間合いが近くなりすぎるので、若干後ろに動くのも良いでしょう。

大切なのは、相手の打突の勢いをなるべく殺さないことです。
相手の竹刀の勢いと体の勢いを最大限利用することで、自分にとってより良い状況を作り出すことができます。

動画出典:丸亀武道館一心会 稽古用動画:面すり上げ面

出鼻面(出頭面)

出鼻面は、相手が面に打っててくるところの動き出しを捉える技です。

相手が打ってきてから反応しては遅いので、他の応じ技以上に「相手を誘い出す」ことが重要となります。
完全に「自分が誘い出した」状況以外では、出足が遅れて逆に打たれてしまうこととなります。
基本的には自分が打突できるタイミングでのみ、出せる技といえるでしょう。

打ち方に関しては、最短距離で相手の面に到達することが大切となります。
この時、相手も自分に向かってきている状況ですので、強く打突したり遠くに跳ぶ必要もありません。
それよりも、竹刀の剣先を中心から外さず、最短距離を通って打つことが最も大切です。

参考記事:【剣道の出鼻・出頭技まとめ】

出鼻小手(出小手)

出鼻小手(以下 出小手)は、試合で最も決まりやすい技の一つです。
相手が面の打突に入ろうとして手元が上がったところを、小手に打ち込む技です。

出鼻面と同様に、相手が打突に入流のを見てから反応しても遅れてしまいます。
相手を誘い出し、動き出した瞬間には相手の手元に自分の竹刀が到達しているようなイメージが適切でしょう。

出小手の打ち方には、「上から打つ方法」と「下から打つ方法」があります。

前者は、相手の手元が上がったところを、相手の竹刀を跨ぐようにして上から小さく打ち込みます。
後者は、自分の剣先を相手の竹刀より下にして誘い出し、相手が打突に入るところを下から小手に打ち込みます。

それぞれ微妙な違いがあり、上から打つ場合は打突に力が伝わりやすい分、素早く相手の竹刀を跨がないと、軌道が大きい分打ち遅れてしまいます。
下から打つ場合は、最短距離で相手の小手まで到達できる分、打突に力が伝わりにくい上、相手の上からの打突に対して潜る(=屈んで、相手の打突をくぐるような形)ような体勢になりやすいです。
それぞれの場合にも、一本にできるような技術が必要となります。

また足さばきにおいては、相手が面に打ってきているため、大きく踏み出す必要はありません。
踏み込みは半歩ほどか、もしくは間合いが近い場合はその場で踏み込む程度となります。

参考記事:【剣道の出鼻・出頭技まとめ】

相手が動き出す瞬間を捉える。
※写真は西村英久選手。
画像出典:全日本剣道連盟

面抜き胴

面抜き胴は、相手の面に対し、竹刀で受けずに体の動きでかわして胴を打つ技です。

相手を誘い出し、相手が打ち込んできた瞬間に体を相手の右斜め前に寄せます。
面を避けるやいなや、その動作のまま胴を打ち込みます。

この時のポイントとしては、相手が面を打ってこようとしたときに体を相手の右斜め前に寄せ、この寄せるときに胴を打つ準備をしておくことです。

そして相手が面を打った瞬間に、胴を打ち込みます。
つまり、避ける動作と打つ動作を一緒に行うことが重要です。

面抜き逆胴

面抜き胴の応用編として、面抜き逆胴をご紹介します。
相手によっては、面の打突を避けられた瞬間、竹刀を下げて胴を防ぐケースもあります。
こうされては、返し胴を打つことはできません。

そのようなとき、この面抜き逆胴が有効になります。
相手が面を打ってきた瞬間、膝を曲げ、腰を落とします。
このときに、膝を柔軟に使うことが重要になります。

腰を落とすことが不十分であると、面を打たれてしまいます。
そして、相手の面が空を切っている瞬間、腰を落としたまま逆胴を打ち込みます。

一方で、自分の体勢も相手から見ると面がガラ空きになる上、前ではなく後方に動く必要があるため、タイミングを外されると空振りしたり面を打たれたりする可能性もあります。

このようなことから、「ここぞ」という時に繰り出す技といえるでしょう。

「抜き逆胴」は飛び道具に近い技である。
画像出典:奈良写真館道場

面返し面

面への応じ技として、おそらく最も難易度の高い「面返し面」をご紹介いたします。
全日本剣道選手権で3度の優勝を誇る、内村良一選手の得意技でも知られています。

相手が面を打ってきたところを、竹刀で受けるもしくは少し下がって「余す」(=スウェーバックのような形で避ける)ところから、一気に竹刀を回して裏から面を打つ技です。

面を裏から打つ理由としては、通常防御反応をする時には、左手を左上方に上げて防御することが多いため、面の裏側(=相手の面の左サイド)が空きます。
打突をしにいく最中に、ここを防御することは大変難しいため、あえて竹刀を回して面を捉えます。

ここで難しいのは、竹刀を回して打つまでの距離を確保することです。
「相手を引き出す」ところまでは同じですが、そこから竹刀を回すためにはある程度の距離とスピードが必要となります。

内村選手の打突を見ると、ある程度「その場」で面を受け、少し左に動きながら打っているのがわかります。
全国七段選手権優勝の橋本桂一選手の場合は、少し下がりながらスウェーバックのような形で相手の打突を「余し」、左後ろに回り込みながら打っているのがわかります。

いずれも、
・相手を引き出す
・距離を確保しながら相手の打突を受け流す
・左に動きながら素早く竹刀を回す

というかなり高度な技術が必要となります。

高段位で元に立つ立場になればなるほど、「掛かり手が打ち込んできた際に有効となる技」ともいえます。
脚力が特別必要な技でもないため、社会人剣道家の方でも長い時間をかけて稽古すれば習得できるかもしれません。

内村良一選手は、完全に竹刀で受けるスタイル。
画像出典:読むだけで強くなれる剣道ブログ
橋本桂一選手は、相手の打突を「余す」スタイル。
受けてから、一気に裏に回して面を打つ。
※写真は内村良一選手。
画像出典:読むだけで強くなれる剣道ブログ
いずれの形でも、裏に回して面を捉えることは共通している。
※写真は橋本桂一選手。

|小手に対する応じ技

近年の剣道の傾向として、面に比べて動きの小さい小手を中心に攻撃を組み立てる剣道が多くみられます。
特に、学生などはこれが顕著にみられ、小手に対しての技があるか無いかで試合展開、結果が大きく変わります。

そこで、小手に対しての基本的な応じ技や、有効な技を詳しく説明していきます。

画像出典:LET’S KENDO

相小手面

相小手面は、小手に対しての応じ技として基本的なものとなります。
しかし、連続技ということもあり、習得することが難しい技でもあります。
そこで、相小手面のコツを何点か説明していきたいと思います。

小手に対する全ての応じ技に共通しますが、まずは相手が小手を打ってくるように誘います。
やみくもに小手面を打っても、面が来たら打たれてしまう可能性があります。

ポイントとしては、小手は一本にするつもりで打ち込まず、できるだけ速く小さく小手を打ち込むことです。
小手が相打ちになった瞬間、面を打ち込むのですが、このときに重要になるのが足を継がずに面を打つということです。

つまり、小手を打つとき大きく踏む込まずに、その場で小さく踏み込み、そのまま足を継がず、面を打つということです。

小手抜き面

小手抜き面は相手が小手に来るとき、振りかぶりながら小手を避け、そのまま面を打ち込む技です。

このときに注意することは、振りかぶるときに小手を触られないようにすることです。
相手の技の起こりを読んで、来るときに小手に当たらないよう手を体の方に縮めながら振りかぶり、面を打ち込みます。

小学生の頃などは、後ろに下がりながら振りかぶり、前に打ち込むということをやっていた人もいるかと思いますが、小学校高学年、中学校からは通用しにくくくなります。
一挙動で小手を抜いて打つことが、重要となってきます。

小手返し面

小手返し面は、相手の小手を竹刀で受けて、そこから手首を回すようにして面を打ち込む技です。

小手を竹刀で避けるときは、左手を高めに上げて避けるのが良いでしょう。
そうすることによって、打つときに手首のスナップを効かせ、早く打ち込むことができるからです。

また、相手の打突の力を利用して手首を回す良いでしょう。
相手の小手を完全に竹刀で受けてしまうと、そこから手首を回すのに力が必要な上、相手も防御体制に入りやすくなってしまいます。

相手の力を利用しながら、手首のスナップを意識することで一挙動で打ち込むことができます。

動画出典:100710.小手に対して面

小手すり上げ面

面すりあげ面と同様に、相手の打突を擦り上げるようにして軌道を変え、そこから面を打ち込む技です。

この時、小手を打つために相手の竹刀は自分の右側に来ます。
そこで自分の竹刀の裏鎬(=自分の竹刀の右サイド)で相手の竹刀を擦り上げ、上げた竹刀をそのまま下ろすように面を打ち込みます。

面へのすり上げと同様に、相手の竹刀の勢いを止めずに起動だけ変えることが必要です。
特に小手は面よりも下に打ち下ろすため、竹刀の勢いによって相手の竹刀はより低い位置へ下りていきます。
これにより、より相手の面を捉えやすくなります。

動きとタイミングとしては、相小手面に近くなります。

|応じ技向け竹刀

一般に、軽量で操作性に優れた竹刀が、応じ技には向いているとされます。

そこで、
・胴張(=手元重心・剣先軽め)
・右手のみ小判型
にて設計された竹刀をご紹介します。

九州学院高校から明治大学でも活躍する、梶谷彪雅氏考案の竹刀です。
以下よりお買い求めいただけます。

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※その他のタイプの竹刀は、以下よりお買い求めください。

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|応じ技を習得しよう!

応じ技が打てるかどうかで、試合というのは大きく変わっていきます。
上記にご紹介したどれもが、非常に有効な応じ技となっています。

応じ技の取得はコツを掴むまで時間を要しますが、この記事を参考にして練習してみていただければ幸いです。

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