【剣道具師としてのセカンドキャリア】剣道具工房「秀」 西川秀司

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「 剣道具師としてのセカンドキャリア」

〜剣道具工房「秀」 西川秀司〜

自身も剣道教士七段であり、「職業訓練校の教員」から「剣道具師」へ転身を遂げた西川秀司氏。
その異色の経歴や剣道具製作にかける想い、さらにはオリジナル銘の小手「秀貴」についてもお伺いしました。

(以下 KENDO PARK=KP  西川秀司氏=西川)

|「自分で修理」が始まり

KP:
剣道にはいつから触れていらっしゃったのでしょうか。


西川:
剣道を始めたのは、小学校6年生の頃でした。
香川県の小豆島出身で、地元に剣道具店がなかったため、剣道具を買いに行ったり、修理するにしても高松市まで持参する必要がありました。

そこで中学生くらいの頃から、剣道具を自分で修理するようになっていました。


KP:
それが剣道具製作に携わられるようになったきっかけでしょうか。


西川:
そうかもしれません。
剣道は途中でやめてしまっていたのですが、大人になってから自分の子供が剣道をやるようになり、徐々に剣道具の修理が増えたことで再び剣道具に触れるようになりました。

今度は正しく学ぼうと思い、香川県の職人さんのもとへお伺いし、基本となる針遣いを学びました。
そのうちに縫製のロジックがわかってくると、今度は分解をして内部の構造を調べるようになりました。
それによって、何となく剣道具の構造がわかるようになってきました。

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少しずつ集めた工具の数々
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|剣道具製作を志す

KP:
そこから本格的に剣道具製作に携わるようになったのでしょうか。


西川:
そうしているうちに、5年ほど前に剣友に頼まれるかたちで、小手の製作にトライすることになりました。
とはいえ、完全に自分で分解しながら、見よう見まねでの製作ですので、完全に自己流での製作でした。

その様子を、記録がてらFacebookに掲載していたところ、小手師でいらっしゃる米倉彰彦氏と繋がりを持たせていただくことができ、是非一度技術を見てみないかとお誘いをいただきました。

そこで、道場連盟の全国大会が開催される機会を利用して、米倉武道具(@千葉県市川市)に訪問し、米倉氏の工房で技術の手ほどきをいただきました。
それから2ヶ月1回程度のペースで、夜行バスに乗って米倉武道具へ通うようになりました。
米倉氏には本当に良くしていただき、連続5日間程滞在させていただいたりして技術を学んでおりました。
それ以外の期間においても、写真や現物等を送り合う等して、2年程度修行に励みました。

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米倉彰彦氏の元で、本格的に剣道具師を目指す
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|公務員からの転身

KP
それから米倉氏と協同で、剣道具製作をなさるようになりました。


西川:
実は米倉氏とは同年齢ということもあり、師弟という関係と同時に、同志というような感覚もありました。
そんな中で、米倉氏から「剣道具師の同志として二人三脚で一緒にやりませんか」と言っていただき、剣道具製作にあたることになりました。

当時私は58歳で、職業訓練校の教員として公務員の職についておりました。
それを早期退職し、生業として剣道具製作にあたることを決意いたしました。
 そして、剣道具工房「秀」を開業いたしました。
開業にあたって米倉氏より「彰」の文字を取って「彰秀」の銘をいただき、うちの商品には「彰秀」のタグを付けています。

それまで既にFacebookで発信を行なっていたことから、大変ありがたいことに開業前からご依頼をいただいており、開業時から数多くの小手製作に携わらせていただくことができました。

とはいえまだまだ素人製作であり、材料業者さんとの繋がりもなかったため、インターネットで調べて材料調達を行う状態でした。
そのうちに少しずつ材料業者さんをご紹介いただき、今ではある程度安定して供給いただけるようになりました。


KP:
小手製作以外にも、色々な修理や製作を手掛けられていらっしゃいます。


西川:
各種修理や刺の製作も手掛けております。
例えば面でいえば、面垂の補修やカット、顎の交換等も行なっています。
最近では技術向上のために、垂や胴胸も刺すようになりました。

ご依頼いただくお客様のおかげで、様々な技術を身につけることができています。
本当に感謝してもしきれません。

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教員から転身し、剣道具工房「秀」を設立
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|オリジナル小手「秀貴」

KP:
オリジナルの小手ブランドである「秀貴」についても教えてください。


西川:
元々は、自分が使用していた小手を分解して型を製作し始めたのが、オリジナル小手製作の始まりです。

自分好みに少しずつカスタマイズしていたのですが、どこまで行っても素人仕事の領域を出ないと感じたため、米倉氏に相談いたしました。
その後、米倉氏と試行錯誤を重ね、「秀貴」の型を完成させました。

米倉氏は、伝説の小手師である「宮下悟道」の系譜を継いでいらっしゃいます。
そのエッセンスを存分に盛り込んでいただき、極めて完成度の高い小手に仕上がりました。


KP:
「秀貴」小手の特徴とこだわりを教えてください。


西川:
いわゆる「東京型」の型がベースとなっています。

昨今、親指と人差し指の湾曲を無理に大きくしているものが多いですが、本来の手と指の形状からすると、かなり不自然な形と言えます。
その点、本来あるべき手と指の配置に沿って型を作っているため、無理なく小指から握ることができる形状になっています。

手首の返しも、無理に沿った形状にはせず、毛詰めと飾りの配置によって可動性を確保しています。
さらに「イセ込み」によって、人差し指の関節から自然と握った形に沿って、小手頭を設置し、その形状に沿って毛詰めの配置を行なっています。

これらにより、手と指の形に沿って無理のない握りができる形状を実現しています。


KP:
最後に今後のビジョンを教えてください。


西川:
まずは技術を磨いて、「秀貴」小手の品質を高めていきたいです。
また、米倉氏とのコラボや「宮下悟道」モデルの本格復刻も議論し始めております。
そういった活動を通して、古き良き剣道具を後世に遺していきたいです。

【秀貴】東京型ミシン刺小手(織刺・総紺革)

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【秀貴】東京型手刺小手(織刺・総紺革)

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【秀貴】東京型”洗えるドライメッシュ”小手

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