▼武道具店インタビュー▼
「ゼロからイチをつくる」
〜福田武道具 福田一成〜
(以下 KENDO PARK=KP 福田一成=福田)
株式会社福田武道具
昭和56年 無店舗の行商として武道具店創業
昭和62年 埼玉県朝霞市に実店舗出店
平成2年 シグニチャーモデル「霞流剣道具」誕生
平成7年 自社HPにおけるネット通販開始
平成11年 埼玉県朝霞市にて自社社屋完成
平成29年現在も、埼玉県朝霞市に本社を構える。
|車一台からのスタート
KP:
創業のきっかけを教えてください。
福田:
もともと高校卒業後警視庁に奉職し、特練選手として活躍していました。
しかし怪我が原因で第一線を離れることとなり、セカンドキャリアを考えていたのですが、「自分には剣道しかない」と思い、まずは武道具店で剣道具販売について学ぶことにしました。
約2年武道具店で修行した後、昭和56年に独立して剣道具販売をスタートしました。
剣道具販売といっても店舗を持たず、車での行商からのスタートでした。
当時の車にはエアコンすら無く、外回りがとにかく辛かったことを覚えています。
当時既に海外製商品は登場していましたが、為替の関係で今ほど安くはありませんでした。
KP:
プレイヤーから用具を扱う側となって、大変だったことは何ですか?
福田:
とにかく用具のことがわからなかったので、
著名剣道具師のところに通いつめて、見よう見まねで学びました。
そこからインスパイアされ、「霞流剣道具」シリーズが生まれました。
誕生から20年以上経ちますが、今でも高い評価をいただいています。
KP:
業界の中でも、いち早くインターネットでの事業展開をなさったそうですね。
福田:
最初にHPを出したのは、もう20年以上前になります。
何代も続くような歴史ある武道具店と戦っていくためには、常に新しいことにチャレンジすることが必要であったからです。
このスタンスは今でも変わっていません。
KP:
そこから海外展開等、次々に事業拡大をなさいました。
福田:
新しいマーケットを開拓すべく、海外サイトは約2年前に開設いたしました。
こういったウェブサイト等は、基本的に自社内で製作・保守をしています。
リソースが豊富でなわけではないので、従業員とともに私も勉強しています。
|アディダスとのコラボレーション秘話
KP:
近年では、アディダスとのコラボ商品も開発なさいました。
福田:
4~5年前ですが、アディダス本体の担当者が、柔道着や空手着の販売を目的に来日したのがきっかけです。
マーケットをリサーチしたところ、剣道の方が市場が大きいことがわかり、剣道用具を開発しようということになりました。
KP:
大手企業とはいえ、海外現地業者との取引はなかなか踏み出せないことのように感じます。
福田:
文化やビジネス感覚があまりに違い、本当に苦労の連続でした。
海外現地法人との取引でしたので、一つやり取りするだけでも大変でした。
また剣道具専門工場ではなく、アディダスの別の商品を製作している工場に生産を委託したため、オーダーと違うものが上がってくることもよくありました。
結果として剣道着を開発するのに3年もの時間を要し、剣道を知らない人に剣道具のイメージを伝える難しさを痛感しました。
ビジネスとしては思ったような成果が出ませんでしたが、本当に良い経験になりました。
KP:
今後の目標を教えてください。
福田:
変化が早い時代ですが、常に業界をリードする存在でありたいです。
そのために、商品開発から販売まで新しい取り組みを続け、常にチャレンジしていきたいと考えています。
運営から:
車一台の行商から始まり、今では業界をリードする存在となった福田武道具。
そこには腕一本で道を切り開いた「情熱」と、常に革新的な商品を生み出す「チャレンジ精神」があったのだと感じました。
KENDO PARKでは、福田武道具の商品を取り扱いしております。
是非ともご覧ください。