【剣道着を”再発見”する】ENN LIVING WORKS 代表取締役  熊谷佳樹

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剣道着,リメイク,藍染,刺し子

▼スペシャルインタビュー▼

「剣道着を”再発見”する」

〜LIVING WORKS 代表取締役  熊谷佳樹〜

剣道着および藍染刺し子生地を使った、オリジナルアパレルグッズを展開するENN LIVING WORKS。
剣道に「デザイン」を持ち込み、伝統的な剣道着の良さを伝えるイノベーター的存在です。
創業秘話から事業にかける想いまで、お伺い致しました。

(以下 KENDO PARK=KP   熊谷 佳樹氏=熊谷)

KENDO PARK

熊谷 佳樹 (くまがい よしき)

1980年生、宮城県出身。
小学校1年生から剣道を始め、仙台高校、東北福祉大学卒業。
仙台高校時代に東北大会優勝。
東北福祉大学時代に、全日本学生剣道優勝大会に2度出場。
2011年に独立起業し、2012年にENN株式会社 代表取締役就任。
2016年から「剣道着リユース事業部」を立ち上げ、その後「ワードローブ事業部」として完全事業化。
オリジナルブランド「ENN LIVING WORKS」を展開。
キャッチコピーは、「生まれは日本 想いと価値を」。


|剣道着リユースで起業

KP:
創業までの経緯を教えてください。


熊谷:
もともと大学まで剣道部に所属し、学生時代は部活動に打ち込んできました。
大学時代には、部活動と並行して飲食店でアルバイトをしており、それが独立のきっかけとなりました。

というのも大学卒業後に一旦就職したのですが、大学時代のアルバイトの経験から「飲食店を経営したい」と思うようになりました。
そこで、「30歳までに独立して経営者になる!」と自分の中で明確に目標を定め、仕事の傍ら独立の準備に励みました。

独立準備の段階では、先の見えない辛さや苦しいことばかりでしたが、「途中で投げ出すのは格好悪い!」という強い想いが背中を押したと思います。

そして2011年に独立を果たし、2012年にENN株式会社を設立いたしました。


KP:
そこから、剣道着のリユース事業を展開なさるようになります。


熊谷:
飲食店を経営していた頃、現在商品製作を担っている黒崎に会う機会があり、彼が剣道着をリユースしたバッグを製作していることを知りました。

その取り組みを是非応援したいと思い、2016年頃から自社の飲食店内や剣道関連の知り合いを中心に、剣道着リメイクのオーダーを受け付けていました。
すると思った以上に反響があると感じ、「これはしっかりと事業化すべき」と考えました。

そこで、当時関東に住んでいた黒崎を仙台に呼び寄せ、「ワードローブ事業部」として剣道部リユース事業を正式に事業化致しました。

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剣道着が、オシャレなバッグに生まれ変わる。
画像出典:ENN LIVING WORKS YouTubeチャンネル
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|クラウドファンディングが転機に

KP:
設立当初から、順調に事業拡大していったのですか?


熊谷:
いいえ、設立当初は本当に大変なことばかりでした。

事業化にあたり、それまで使用済みの剣道着を一つ一つ預かっていたところを、定番商品製造のため新品の材料を調達しなければなりませんでした。
材料といっても、要となるのは剣道着にも使用される「藍染刺し子生地」ですので、専門業者を探すところからのスタートでした。

さらに当時は材料費にかけるお金も少なく、また小ロットでは材料の取引をしてくれる業者もなかったため、材料集めには大変苦労しました。
そこで地元警察の特練チームや、地元大学等を回って、使い古した剣道着をかき集めながら製作を行なっていました。

剣道未経験者のお客様からのオーダーも対応しておりましたが、殺菌処理しているとはいえ中古生地であることから、「イメージ的に手に取りづらい」という意見もありました。
また「新品の刺し子藍染生地であれば使ってみたい」というご意見も多数頂き、中古生地ではなく新品の生地を使用する必要性を感じていました。


KP:
そこで、クラウドファンディングが転機となったそうですね。


熊谷:
知り合いの紹介で、クラウドファンディングサービスの「kibidango」を知り、2017年に掲載とサポート募集をいたしました。

すると100名以上のサポーターの方から、約120万円の支援をいただき、何とか材料購入資金を得ることができました。
この時のクラウドファンディングでは、サポート頂いた方に割引での商品提供を行なったので、サポーターの方々向けの分も含めて、材料(=藍染刺し子生地)を調達することができました。

このクラウドファンディングによって、資金調達だけでなくブランド名の拡散にもつながったと思います。
そういう意味でも、これが転機になったと言えるかもしれません。

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クラウドファンディングで、約120万円を集めた。
画像出典:kibidango
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|剣道 × デザイン

KP:
最近では、様々な大会やイベント等でもENN LIVING WORKSの製品を目にする機会がありますが、こういったプロモーションを開始したのはいつ頃からですか?


熊谷:
当初は地元開催の大会に出展を行なっていたのですが、2016年の岩手国体にブース出展を行なってから、徐々に全国クラスの大会にも出展をするようになりました。

先述のクラウドファンディングとの相乗効果もあり、結果として少しずつ知名度が上がっていったように思います。
現在では、試合会場等で我々の製品を身につけている方も多数目にしますし、オンラインショップで購入した製品を、わざわざ我々のところに見せに来てくれる方もいらっしゃいます。

また、各大会やイベント等にも、主催者の方から出展のお誘いをいただくまでになりました。
剣道のイベント以外にも、大手デパートの催事等で展示を行わせていただく機会も少しずつ頂いております。

このようにユーザーからの反応があることは、製造側としては本当に嬉しい限りです。


KP:
刺し子生地のバッグのほか、オリジナルのTシャツやパーカー等も展開なさっていらっしゃいます。


熊谷:
私が学生の頃は、大会現地で記念のTシャツやグッズ等を買っても、結局その場限りの使用になってしまったり、T シャツも稽古に行く時専用や、部屋着になる 事が多かったです。

私としては、せっかく剣道を通して購入したものを「普段でも使用してほしい」という想いがあり、剣道のエッセンスをメインにしながらも、普段使いできるようなデザイン性を盛り込みました。

それが、我々が展開しているオリジナルデザインのTシャツやパーカーです。
剣道のモチーフがデザインされているので、刺し子生地のバッグよりも目につきやすいかもしれません。

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日本伝統の「刺し子」と「藍染」の魅力を伝えたいと話す。
画像出典:ENN LIVING WORKS YouTubeチャンネル
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|剣道着の魅力を再発見する

KP:
剣道着、藍染刺し子生地の魅力を教えてください。


熊谷:
「刺子織」と「藍染」は、言うまでもなく日本の伝統技法のひとつです。
さらに、「自分だけの風合い」を実現できることが、魅力だと思います。

剣道家の方々はご存知だとは思いますが、刺し子生地の道衣は、長年使い込むほどに体に馴染んでいきます。
藍染に関しても、経年による色落ちで、ひとつひとつ違った風合いになっていきます。

剣道を通して感じたこのような魅力を、我々の製品を通して再度感じてもらえれば嬉しいです。


KP:
製作するにあたり、難しいところはどこですか?


熊谷:
刺し子生地自体は、比較的厚みがあり、生地自体も強いので、金属や革と組み合わせるのは難しくありません。

一方で伝統を大切にしながらも、皆さんに手に取っていただけるようなデザインを盛り込むには、絶妙なバランス感覚が必要とされます。
日本伝統の「刺し子」と「藍染」の魅力を表現しながら、いかにデザイン性を保つかと言うところが本当に難しいです。


KP:
2018年の世界剣道選手権では、日本代表チームにオリジナルバッグを提供なさいました。


熊谷:
日本代表選手団からの依頼で、大会で使用するバッグの製作を行いました。

男女で、必要な機能や求めるデザインも異なるので、製作にあたっては選手からのヒアリングを相当行いました。
そのイメージを形にしながら、依頼をいただいてから約2ヶ月で完成にこぎつけました。

すると、大会期間中からSNS等でかなり拡散され、全国から多数のお問い合わせをいただきました。
手探りで始めた事業ですが、このようなご縁を頂けたことを、心から嬉しく思います。

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日本代表チーム向けに、オリジナルバッグを製作。
(写真は男子チーム)
画像出典:一仁公式FBページ
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「日本代表男子モデル」バッグはこちらから
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「日本代表女子モデル」バッグはこちらから
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|日本の伝統を伝えたい

KP:
今後のビジョンや伝えたいことを教えてください。


熊谷:
事業の基軸として、あくまで「剣道」にこだわっています。
というのも弊社のメンバーは全員剣道経験者であり、「アパレルブランド」という意識はありません。
あくまで「剣道が持つ日本伝統の技術の伝道師」として、活動をしていきたいと考えています。

ENN LIVING WORKSの製品を通して、剣道着に使用される「刺し子生地」と「藍染」の素晴らしさを、世界中の人々に知ってもらいたいと思います。

例えば、「剣道を知らない人が、武道具店にカバンを買いに来る」ということや「海外から来た方が、記念にバッグを購入する」というような状況が作れれば理想的です。

実際、藍染刺し子生地は、素晴らしい生地であるにもかかわらず、剣道着以外ではほとんど使われておりません。
我々の活動を通して、日本伝統の素材が生活の一部になって欲しいと考えています。

そのために、デザイン・機能性・使い心地を追求し、少しでも長く使って頂ける商品開発を行なっていきたいです。
そして、それらを国内外に発信していきたいと考えています。

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