▼スペシャルインタビュー▼
「剣道初心者が国際大会で優勝するまで」
〜剣道Youtuberあおさのみそしる ゆうと&キタロー〜
剣道Youtuberとして、チャンネル登録者1万人、動画再生回数120万回を叩き出したYoutuberコンビ「あおさのみそしる」。
剣道初心者であるキタローが、初めて出場した剣道大会で優勝を手にするまでを追いました。
※2018年2月15日をもちまして、チャンネル非公開並びに、活動を停止しております。
※2019年3月より、「剣道三段五段」にチャンネルを継承しております。(共同運営)
(以下 KENDO PARK=KP ゆうと氏=ゆうと キタロー氏=キタロー)
-あおさのみそしる-
「愛媛を盛り上げる存在になりたい」という想いから、Youtubeを通して愛媛県から様々な動画配信を行うコンビYoutuber。
二人は同じ大学に通う同級生同士。
メンバー:ゆうと
愛媛県出身。
上段剣士にして剣道4段。
高校時代に愛媛県大会団体優勝。
大学進学後も剣道部に所属し、全日本学生優勝大会2年連続出場。
現在大学生。(2018年2月現在)
動画内では進行担当。
メンバー:キタロー
剣道初心者ながら、剣道に挑戦するYoutuber。
現在大学生。(2018年2月現在)
動画内では愛嬌担当。
※前回まで:「”剣道YouTuber”という生き方」
|初心者から見る剣道
KP:
キタローさんは剣道初心者でしたが、剣道をやってみていかがでしたか?
キタロー:
竹刀の持ち方からルールまで、何もわからないところからのスタートでした。
特に「剣道四段vs最強の初心者」の動画(現在非公開)の時点では、何の知識もありませんでしたので、「ワンピースのゾロ」のイメージから太刀を2本持って戦いました。
もちろん剣道の形を崩すつもりは全くなかったのですが、結果としてそれが面白い動画になったのだと思います。
KP:
実際に相手と対峙してみての感想を教えてください。
キタロー:
やはり「一本」の概念が難しかったです。
当たっただけでは一本にならないのはわかったのですが、素人にはなかなか分かりにくい部分が大きかったです。
あとは初めて打たれた際は、驚いて目を瞑ってしまいました。
当たり前ですが、普段の生活の中で「棒で人を叩く」という場面はないので、実際に打たれた時は本当に驚きました。
逆に、ゆうとに初めて面を打たせてもらったときも、「本当に竹刀で叩いて良いのだろうか」という恐怖心が先にきて、強く打てなかったですね。
KP:
練習しているうちに慣れましたか?
キタロー:
ゆうとに少しずつ基本を教えてもらったのもあり、打った打たれたの部分はだいぶ慣れました。
また私たちの活動を見てくださった「剣道プロジェクト」主宰の石塚さんに声をかけていただき、愛媛県で一緒に動画を撮影しました。
そのあたりから、試合のルールや相手との戦いも少しずつわかってきたように思います。
※参考記事:【剣道の価値と評価を高める】剣道プロジェクト 石塚一輝
KP:
その動画が「剣道のルールをよく知らない素人に審判をさせてみた!!」ですね。
キタロー:
動画はある程度エンターテイメント性が出るように編集していますが、実際は石塚さんにみっちり剣道の基礎や試合の取り組み方などを教わりました。
このあたりから、剣道初心者として大変恐縮ではあるのですが、「実際の試合に出てみたい」という想いが強くなりました。
KP:
異種競技対決や女性剣士である「ミッキー」との対決もありましたね。
キタロー:
ある程度剣道の動きがわかってきたところで、いろいろなジャンルの方と手合わせいただきました。
特に女子大生剣士の「ミッキー」に関しては、私よりも背も小さいですし、見るからに勝てそうだと思っていたので、その強さに驚きました。
体格、年齢、性別を超えて戦えるのが、剣道の魅力だと素人ながらに感じました。
|デビュー戦がまさかの国際大会
KP:
そして初の対外試合として、国際大会に出場することになります。
キタロー:
先述の「剣道プロジェクト」の石塚さんより、ベトナムのホーチミンでの大会にお誘い頂き、ゆうとと一緒に出場することにしました。
剣道も初心者ですが、実は海外渡航も初めてであったので、自分にとってはとてつもないチャレンジでした。
一方で「すごいコンテンツができるかもしれない」と思い、最終的に出場することにいたしました。
KP:
海外渡航も初めてだったんですね。ホーチミンまで来てみて、いかがでしたか?
キタロー:
私自身英語も話せないですし、そもそもベトナム語が公用語なので、たどり着くまで本当に不安でした。
身振り手振りでなんとか会場までたどり着いたのですが、日本ではなかなかできない貴重な経験ができました。
道中カメラを回していたのですが、ドタバタで面白い動画が撮れたと思います。
見ず知らずの国に来て、さらにやったこともない剣道で戦うなど、私にしかできない経験をさせていただきました。
参考記事:【剣道の価値と評価を高める】剣道プロジェクト 石塚一輝
|世界最速で金メダルを獲得
KP:
いざ試合会場に来てみて、いかがでしたか?
キタロー:
試合前には、範士八段でいらっしゃる石塚美文先生にも稽古をつけていただき、とにかく「気持ちだけは勝つように」と言われていました。
高校までスポーツをやっていたこともあり、「気持ち」の部分は意識しました。
おかげで、相手への恐怖心のようなものはなかったですね。
KP:
一緒に試合に出させていただきましたが、初一本取得、初一本負け、初引き分け等、存分にチームに貢献していただきました。
キタロー:
反則2回での一本獲得でしたが、一本を取れたことが一番嬉しかったです。
相手は上段の選手だったのですが、怖がらずに果敢に向かっていった結果、竹刀落とし2回で一本を獲得いたしました。
当たり前ですが、一本を取るまでがこんなにも大変なものかと、大変勉強になりました。
KP:
剣道総練習時間約8時間での金メダル獲得は、おそらく世界最速だと思います。
キタロー:
本当にチームの皆様のおかげです。
素人の私を暖かく迎えていただき、優勝までさせていただいて心から感謝しています。
表彰式では、私が優勝カップを受け取らせていただき、何から何まですごい経験をさせていただきました。
もちろん私を快く受け入れていただいた、現地ホーチミンの方々にも感謝でいっぱいです。
|素人だからこそわかる「剣道の魅力」
KP:
剣道素人のキタローさんからみて、「剣道の魅力」とは何だと思いますか?
キタロー:
先ほども申し上げた通り、年齢、性別、体格、国籍等に関係なく勝負できるスポーツは、他にはなかなかないと思います。
また試合後に、勝ち負け関係なく相手と礼をするのはすごく気持ちが良いですね。
言葉はわかりませんでしたが、相手とはすぐに仲良くなることができました。
KP:
ほかに驚いたことなどはありますか。
キタロー:
装備が重くて大変なのと、男性が下着を身につけないことに驚きました。
また試合の中で、「動いたら打たれる気がして動けない」という感覚を味わいました。
対人競技ではよくあるのかもしれませんが、自分には初めての体験だったので大変驚きました。
|Youtuberとして活動休止が決定
KP:
「あおさのみそしる」チャンネルは、惜しまれながらも今月内に動画配信停止予定ですね。
キタローさん、ゆうとさん、それぞれ今後について教えてください。
キタロー:
色々な事情で2018年2月15日をもって、動画配信停止、並びに全動画削除のはこびとなりました。
※現在は共同運営者として、「剣道三段五段」にチャンネルを継承済。
今まで応援していただいた皆様には、感謝しかありません。
個人としては、四国を盛り上げたいという気持ちに変わりはないので、今後も四国を発信できるような取り組みができたらと考えています。
ゆうと:
私も感謝の気持ちでいっぱいです。
「動画を見て剣道を始めました」といった視聴者からコメントが、本当に嬉しかったです。
剣道に対してはまだまだ敷居が高いイメージなので、違った形で身近に感じられるような取り組みをしていきたいと思います。
運営から:
剣道素人ながら、無謀にも国際大会に参加したキタロー。
そこから見えてきたのは、剣道家が忘れがちな「剣道の本来の魅力」でした。
彼らは2018年2月15日をもって、一旦Youtuberとしての活動を休止します。
我々としては、彼らが示した「剣道の楽しさ」を、今後も伝えていければと思います。
▼「剣道三段五段」へチャンネル継承について▼