【”オンリーワン”の小手(甲手)製作】米倉武道具 代表米倉彰彦

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米倉武道具

▼武道具店インタビュー▼

”オンリーワン”の小手(甲手)製作

〜米倉武道具 代表米倉彰彦〜

小手製作の大名人「宮下悟道」の技術をルーツに持ち、有名剣道具ブランドの企画、開発まで手がける米倉氏。

小手(甲手)製作へのこだわりと想いをお伺いしました。

(以下 KENDO PARK=KP   米倉彰彦氏=米倉)


-米倉彰彦-

千葉県出身

尊毋が小手の大名人「宮下悟道」(みやしたごどう)こと宮下芳次郎氏に師事。

宮下芳次郎氏引退後、尊毋が「宮下剣道具製作所」を継承し、「あゆみ剣道具製作所」設立。

尊毋より技術継承を受け、1989年より「あゆみ剣道具製作所」代表。

2006年「米倉武道具」に改称。

2014年 現在の千葉県市川市の店鋪へ移転。

現在技術継承者を募集中

※記事最下部に、内職者及び継承者募集の案内がございます。


※「小手・甲手・籠手」等の呼称がありますが、本記事では全日本剣道連盟制定の公式呼称に則り、「小手」と表記いたします。

|小手名人「宮下悟道」がルーツ

KP:

小手製作に携わられるようになった経緯を教えて下さい。

米倉:

実家が千葉県市川市にあったのですが、私の母が実家近くの「宮下剣道具製作所」で働いていたのがはじまりです。

宮下剣道具製作所」は、小手製作の大名人であった「宮下悟道」(みやしたごどう)こと宮下芳次郎氏が運営する武道具店で、母は日々小手製作のサポートを行なっていました。

宮下氏引退後、私の母が店舗を受け継ぎ、「あゆみ剣道具製作所」として事業を継承致しました。

その後、私も母の仕事を手伝うようになり、小手製作の技術継承を受けました。

そして1989年に、「あゆみ剣道具製作所」の代表に就任致しました。

このように、私が製作している小手は、間違いなく宮下氏と母の技術にルーツがあります。

米倉武道具
宮下芳次郎氏(右)とお母様(左)で小手製作にあたっていた。
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KP:

販路はどこであったのですか?

米倉:

「宮下剣道具製作所」時代から、関東圏の小売店への卸販売をメインとしてきました。

そこから品質の高さが口コミで広がり、少しずつ全国に販路を広げて行きました。

2006年には、店名を現在の「米倉武道具」と改称いたしました。

そのあたりからは、有名武道具店から依頼をいただいたり、有名剣道具シリーズの設計や製作にも携わるようになり、現在では全国のメーカーと取引があります。

単なる「下請け」ではなく、「共に商品開発していく」というような良い関係性を築けていると思います。

KP:

武道具店によって、それぞれ商品仕様が異なると思うのですが、対応するのは大変なように思います。

米倉:

私への製作依頼は、「宮下悟道」タイプの小手製作を期待していることが多いので、大きく仕立てが変わるということは無いです。

一方で、細かい仕様はメーカーやお客様によっても異なるので、結局は様々なタイプや流派を覚えなければ仕事になりません。

その経験の積み重ねによって、受け継いだ技術をベースに様々なエッセンスを加えてオリジナルの技術を確立することができました。

形にとらわれず、様々なタイプの小手製作に携わったことが、今の技術力につながっていると思います。

米倉武道具
小手製作のルーツとこだわりを語って頂きました。
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|独自の技術と材料

KP:

米倉製の小手の特徴やこだわりを教えて下さい。

米倉:

仕立てと素材には、相当こだわっています。

仕立ての面では、型、毛詰、刺目が特徴です。

型のベースは「宮下悟道」型ですが、手首部分は握りやすいように反りを大きくしています。

毛詰は詰める位置に気を遣っています。

詳しくは言えませんが、被打突部分の耐久性を保ちながら、竹刀操作を円滑にするよう、詰める位置にメリハリを付けています。

最後に刺目ですが、織刺としては珍しく小手頭は刺目を大きく、手首は刺目を細くして可動性を向上させるように刺し幅を変えています。

このような仕様は、機械生産ではなかなか出来ないものです。

米倉武道具 小手
部位によって刺し幅を変えている。
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材料に関しては、独自に築き上げた調達コネクションを活かし、高品質なものを使用しています。

純毛や古代毛氈、小唐、なめし革に至るまで、国内では手に入らなくなった材料を積極的に買い付けています。

特に鹿毛に関しては、仕入れた高級毛を10年近く置いて、十分に空気を吸わせます。

鹿毛はストロー状なので、空気を含むことでフワッとします。

これにより、仮に汗を吸ったとしても、乾燥することで元のふんわりした形状に戻りやすくなります。

サラサラしているため、毛詰の段階でもダマにならずに円滑に作業をすることができます。

通常のものと比べてみると、違いは一目瞭然です。

現在は「洗える小手」用に、化学繊維でも小手製作を行なっていますが、基本的な型や仕様はそのままの技術を用いています。

鹿毛
通常の鹿毛(左)と高級鹿毛(右)。違いは一目瞭然。

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|小手は「美人」でなくてはいけない

KP:

今後の目標を教えて下さい。

米倉:

「色気のある」小手を製作したいです。

職人仕事の最終地点は、型や素材の問題を超えて、雰囲気やフォルム、佇まいといった芸術の世界だと考えています。

昔から、小手は美人でなくてはダメだ」と言われてきました。

感覚的なものですので言葉にするのは難しいですが、自分が製作した小手に「色気」を感じるような日が来れば良いなと思っています。

米倉武道具 小手
受け継いだ用具が、独特のフォルムを生み出す。
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また、技術の継承も考えています。

私が築き上げた技術を後世に残すためにも、技術継承者およびサポートとしての内職者を募集しています。

小手製作はかなり時間がかかる作業ですし、型やパターンを覚えるだけでも大変ですが、それでも熱意を持って学んでくれる方が現れたら嬉しいです。

私が製作する小手は、人間と一緒で全て「オンリーワン」のものです。

「あなただけ」の小手を、是非手に取って頂けたら幸いです。

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米倉武道具 小手
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▼技術継承者・内職者募集要項▼

事業所名米倉武道具
連絡先
  • info@kendopark.jp
主要製造品目剣道具(甲手)
所在地市川市本北方2-7-1
募集地域
  • 市川市 船橋市
作業内容武道具の製造(針仕事)
募集条件
  • 経験:不要
  • 必要器具:-
  • その他:元気の良い方・フットワークの良い方希望
工賃の額50円から
納期応相談
材料の運搬内職者(交通費の支給なし)
募集受付時間帯13時から18時

剣道具専門通販セレクトショップ【KENDO PARK】

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