今回は漫画や雑誌等、剣道にまつわる書籍全般についてご紹介いたします。
剣道に関する書籍は、漫画から雑誌、小説にいたるまで、その種類は数多く存在します。
剣道をしている、していないに限らず、楽しめるものもたくさんあります。
今回は古いものから近年のものまで、剣道をテーマとした書籍を紹介していきます。
|昭和の剣道漫画
まず、昭和の剣道漫画についてご紹介していきます。
これらは人気の低迷していた剣道界に、剣道ブームによる復興をもたらした素晴らしい作品ばかりです。
気になった作品があれば、ぜひ一度手に取って読んでみて下さい。
六三四の剣(むさしのけん)
小学館より通常版全24巻、文庫版全10巻が販売されている、剣道漫画の代名詞「六三四の剣」です。
アニメ化やゲーム化までされた人気作で、昭和剣道ブームの火付け役でもあります。
作者の村上もとか氏は「jin-仁-」などの作品でも有名な作家ですが、この作品の執筆前は剣道の経験がほとんどなかったようで、「六三四の剣」執筆に際して剣道を学び始めたそうです。
そのためか、剣道を知らない人が読んでも面白い内容に仕上がっており、これを読んだ子供たちがこぞって剣道を始め、昭和の剣道ブームが起こりました。
おれは鉄平
「明日のジョー」で知られるちばてつや氏の「おれは鉄平」です。
講談社から通常版全31巻、文庫版12巻が発売されており、こちらもアニメ化までされた人気作です。
本作はいわゆる「学園モノ」としての要素も多分に含んでおり、主人公の鉄平が野生児的な行動で騒動を巻き起こすのがお決まりの流れとなっています。
その中でも主人公鉄平の剣道にかかる熱意がしっかりと描かれており、読んでみればきっと主人公を好きになれるような作品に仕上がっています。
「明日のジョー」で、いわゆる”スポ根”の黄金時代を築いたちばてつや氏の作品だけあって、剣道の経験の有無は関係なくハマってしまう作品です。
|平成の剣道漫画
次は、平成の剣道漫画についてご紹介いたします。
時代が近いだけあり、絵柄や作風も若者好みのものが多いため、あまり剣道漫画を読んだことのない人や、そもそも漫画自体をあまり読んだことのない人にとってもオススメです。
BAMBOO BLADE(バンブーブレード)
原作土塚理弘氏、作画五十嵐あぐり氏により、スクウェア・エニックスから全14巻が発売されているのが「BAMBOO BLADE」です。
こちらもアニメ化やゲーム化がされた人気作であり、読んだことは無くても名前を聞いたことがある人は多いかもしれません。
これまでの剣道漫画とは違って、「女子剣道」を題材としている点が特徴です。
女子高生たちの学園生活や部活動生活を丁寧な筆致で描いているため、作品のストーリーや剣道描写だけでなく個々のキャラクターにも魅力があり、女性ばかりでなく男性からも多くの支持を受ける人気漫画です。
しっぷうどとう
小学館コミックス発刊の、盛田賢司氏による「しっぷうどとう」です。
こちらは平成のスポーツ漫画としての流れを色濃く汲み取り、地味で平凡な主人公である長門烈が、剣道部員の先輩に憧れ剣道を始めて成長していく様を丁寧に描いた青春剣道漫画です。
主人公が段々と剣道に魅了され成長していく様、苦悩や葛藤などが丁寧に描かれており、読んでいくうちに主人公に感情移入していくこと間違いなしの漫画です。
作者の盛田賢司氏は、剣道漫画作品をいくつか執筆していることでも知られています。
さんぱちのおと
大澄剛氏による「さんぱちのおと」です。
こちらはいわば「熱血剣道漫画」であり、ライバル達との戦いを激しい筆致で描き出しています。
クロガネ
最後にご紹介するのは、集英社より全8巻が発売されている池沢春人氏の「クロガネ」です。
少年漫画雑誌の頂点に君臨する「週刊少年ジャンプ」で連載されていた作品で、王道の少年漫画としても楽しめる作品になっています。
ウダツの上がらない主人公が剣道と出会い「ヒーロー」へと成長していく様子を描いており、剣道を知らない人でも楽しめる内容になっています。
|剣道を題材とした小説
次は「剣道を題材とした小説」をご紹介します。
多くは映画化や漫画化など、他の媒体にも移植されているものばかりです。
小説本体を読むのはもちろん、他のメディアで楽しむのもオススメです。
武士道シックスティーン
誉田哲也氏による「武士道シックスティーン」です。
女子剣道を題材として描いており、実話を元にした作品であるということでも有名です。
2人の対照的な主人公の青春を描き出しており、漫画化や実写映画化もされています。
また、小説版は続編である「武士道セブンティーン」なども出版されています。
武曲(むこく)
文芸文庫発行の藤沢周氏による本格剣道小説が、「武曲」です。
2017年に「武曲 MUKOKU」の題で映画化されたことでも有名です。
主人公である北鎌倉学院高校二年生の羽田融と、同校剣道部のコーチを務める矢田部研吾の出会いから、羽田融を剣士としては育てていく作品です。
矢田部研吾は、「殺人刀」の遣い手であった将造を父にもち、現在アルコール依存症で失職している身である等、各登場人物が重い背景を背負っているのも特徴です。
九月の空
最後にご紹介するのは、高橋三千綱氏の「九月の空」です。
こちらは1953年下半期の芥川賞も受賞した人気作であり、1978年に映画化もされています。
剣道を通して少年の青春を描き、小説、映画共に今見ても夢中なれる名作です。
|剣道雑誌
最後に、剣道雑誌についてご紹介していきます。
剣道に関わる方なら知っている方も多いことかと思いますが、今一度確認してみましょう。
剣道日本(けんどうにっぽん)
「2大剣道雑誌」の一つであり、株式会社剣道日本が発行する月刊剣道情報雑誌です。
居合道や杖術なども取り扱い、大会結果や剣道の技術特集など、剣道をする人なら必ず読んでおきたい情報が満載の雑誌です。
旧運営会社であったスキージャーナル社破綻に伴い、2017年末に一度休刊を発表しましたが、後継誌「剣道JAPAN」を経て2018年に正式に再刊行となりました。
有名選手の進路が見られる「新人データバンク」、過去のアーカイブ記事を再掲載した「剣日アーカイブ」も人気のコーナーです。
ライバル誌の「剣道時代」と比べて、過去のアーカイブ資料を活用していたり、剣道業界だけにとらわれず、関係するあらゆる業界を取材対象としていることが特長です。
YouTuberともコラボするなど、先進的な取り組みも行っています。
参考記事:
【”剣道JAPAN”刊行への想い】剣道日本 月岡洋光・安藤雄一郎
【ジャイアントキリングの科学〜Team USAの奇跡(1)〜】剣道日本編集長 安藤雄一郎
剣道時代(けんどうじだい)
「2大剣道雑誌」の一つで、体育とスポーツ出版社から発行されているのが、剣道時代です。
剣道日本同様に剣道の技術や大会結果、有名選手の進路など、剣道をやる人なら知りたい情報が詰まっています。
剣道日本と比べて、有名選手の解説等、剣道に絞ったコンテンツを配しています。
近年では海外向けサイトを開設する等、グローバルな展開にも取り組んでいます。
剣道NAVI
最後にご紹介するのは、剣道具メーカー東山堂が設立した「日本武道出版」から2019年3月に創刊された「剣道NAVI」です。
他2誌の剣道雑誌と比べて値段が安く、ワンコインで購入できる一方、刊行したばかりということもあり不定期刊行となっています。
警察や学生をはじめとした現役選手にフィーチャーした内容を多く取り上げており、現役で剣道を続けている方にお勧めしたい雑誌です。
|剣道を文字で読もう!
いかがでしたでしょうか。
今回は漫画をはじめとして、剣道を題材とした様々な書籍をご紹介しました。
知っていた物も知らなかった物も色々あったかと思いますが、興味をもった作品があれば、ぜひ一度読んでみてください。