▼スペシャルインタビュー▼
「”剣道JAPAN”刊行への想い」
〜元月刊剣道日本 月岡洋光・安藤雄一郎〜
約40年間にわたり定期刊行されていた月刊剣道日本が、惜しまれつつも休刊となって2ヶ月。
元剣道日本編集部が再集結し、新たな刊行誌「剣道JAPAN」の発行が決定いたしました。
文字通り”再起”をかける想いを、お伺いいたしました。
(以下 KENDO PARK=KP 月岡洋光氏=月岡 安藤雄一郎氏=安藤)
–月岡洋光–
元月刊剣道日本書籍出版部
”剣道JAPAN”発行にあたり、企画から製作までを担当。
–安藤雄一郎–
元月刊剣道日本第7代編集長
”剣道JAPAN”発行にあたり、記事製作を担当。
※執筆記事:【ジャイアントキリングの科学〜Team USAの奇跡(1)〜】
|”再スタート”だからこそできること
KP:
この度「剣道JAPAN」の刊行が決定いたしました。率直な想いを教えてください。
安藤:
まずはじめに、個人的には剣道日本があのような形となり、読者の方々、及び定期購読いただいていたお客様に多大なご迷惑をおかけしたことは、申し訳ない気持ちでいっぱいです。
そんな折に、以前から不定期で剣道関連書籍を発行していたベースボールマガジン社からこのようなお話をいただき、感謝しております。
月岡:
私も同じ気持ちです。
目先は定期刊行ではなく、別冊での発行となります。
2018年2月24日と4月25日に発行予定で、それ以降は白紙であるというのが現状です。
KP:
改めて別雑誌でのスタートとなりますが、剣道日本と違う部分を教えてください。
安藤:
定期購読者が一切いないところからのスタートなので、改めて「初めて剣道雑誌を手に取った方」をイメージして製作にあたりました。
コンセプトを月岡と相談する中で、再スタートかつ別冊だからこそ、”永久保存版”になるような内容を企画しようということになりました。
月岡:
言い方を変えれば、こういう機会でないとなかなか「永久保存版です」というのは難しいので、そこは思い切って取り組みました。
具体的には、小学校から大学までの学生剣道、実業団、全日本選手権、世界選手権等、各カテゴリの過去の記録をまとめました。
これだけでも、大変価値のあるデータだと思います。
安藤:
記録だけではなく、各カテゴリを代表する選手にインタビューをし、”再出発”にふさわしいコンテンツを揃えました。
また「元剣道日本編集部員が見たインターハイの激闘史」という部分では、長年にわたって高校剣道を見てきたからこそ言えるインターハイのヒストリーにスポットを当てました。
▼主な取材対象▼
西村英久選手(2017 年全日本選手権優勝)へのインタビュー
内村良一選手(2017 年全日本選手権準優勝)へのインタビュー
大西ななみ選手(2017 年全日本学生選手権優勝)へのインタビュー
パナソニックES社(2017 年全日本実業団大会優勝)選手の座談会
佐賀県大和中学校(2017 年全国中学校大会団体戦優勝)選手の座談会
神崎浩氏(2016 年全日本学生団体戦優勝・大阪体育大学監督)
馬場欽司氏(日本剣道形で伝えるこれからの少年指導)
橋本桂一(2017全日本選抜七段選手権大会優勝)へのインタビュー
クリストファー・ヤング(アメリカ 2006&2009世界選手権準優勝)へのインタビュー
元剣道日本編集部員が見たインターハイの激闘史
出典:剣道JAPAN
|”剣道の未来”をテーマに
KP:
剣道日本とのコンセプトの違い、もしくは踏襲している部分を教えてください。
月岡:
以前から変わらない部分は、単なる試合や段位だけではなく、剣道の根底にある部分を書きたいという想いです。
一方で、今回は「剣道未来図」と題し、将来の剣道への取り組みを見据えたコンテンツをチョイスしました。
読者の将来に対し、何か一つでもヒントになってくれれば良いと思います。
KP:
記念すべき第1号の表紙は、内村良一選手(現警視庁)が飾りました。
安藤:
内村選手は、国内海外問わず常に剣道界をリードし、体現してこられた選手です。
”再出発”の象徴として、是非表紙を飾って頂きたいと思い、依頼いたしました。
KP:
最後に、改めて刊行にあたっての想いや目的を教えてください。
月岡:
一部の剣道アスリートのためだけではなく、文化教育思想宗教観含めて日本中の人に向けて情報発信したいと考えています。
安藤:
剣道の普及もさることながら、単なるスポーツではない剣道の魅力を伝達したいと思います。
その想いは、『剣道日本』にいたころからずっと変わらない部分です。
限られた時間のなかで校了にこぎつける作業に、今までと違う大変さを感じていますが、皆様に喜んでいただけるように頑張りますので、応援して頂けたら幸いです。